誘い
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それに対して、頭を下げる場所が違うんじゃないかなと経験のない光景に戸惑っている不敗の英雄。
ダスティ・アッテンボローは未だに鼻を抑えているし、隣のワイドボーンは何が起きたかさっぱりわからないようで、珍しくも目を白黒させている。
おそらくは近年の士官学校で有名な人物に囲まれたセラン・サミュールとテイスティアは蚊帳の外でお互いに顔を見合わせていた。
できれば、逃げたい。
だが、そうもいかないだろう。
「どういうことです。ワイドボーン先輩」
「いや、その点については俺自身も知りたいことだが」
「ヤン少佐とアッテンボロー中尉がいる理由だけでも教えていただけると」
「ああ。それは簡単だ。俺が読んだからだ」
胸を張ってこたえる様子に、アレスは眉をひそめた。
そんなことは初耳だったからだ。
向けられた視線に言い訳するように、ワイドボーンは肩をすくめた。
「誰も聞かれずに話し合えるのは、ここか飲み屋くらいしかないだろう。かといって、飲み屋はアッテンボローはともかく、ヤンやお前は来ないしな」
「私は話し合うつもりはなかったのですが」
「何、応援まで、あと二時間くらいはある。士官学校に会議室を借りている。旧友との交友を温めるのもいいだろう?」
「ワイドボーン先輩に友達っていましたっけ?」
目の覚めるような拳を避けて、アレス・マクワイルドは苦く笑った。
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