疑わしきは罰せよ
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を染めているの?」
ナミの声もどこか底冷えを感じさせる程冷たく、後ろを振り返らなくても不機嫌なのが丸わかりだ。
普通に怖い。
「えっと、何でもないのよ、ナミさん。」
ビビさん、そんなに動揺していては説得力皆無ですよ。
アキトは後方から突き刺さるナミの視線から逃げるように、歩を進めた。
「"反行儀キックコース"!」
だが想定とは異なり、バナナワニの軍勢はサンジの足にとって蹴散らされた。
その後、一匹のワニの口から出てきたMr.3の能力によって開錠に成功することになる。
干からびた身で必死に水を飲み干すMr.3をまるで"聖母の笑みを浮かべた"アキトとサンジの安心と信頼の説得により、ズタボロになった状態でMr.3が開錠に協力してくれたのである。
開錠した後はサンジの蹴りによって何度も水面をバウンドしながらご退場頂いた。
お勤めご苦労様でした。
恨むならMr.3の能力を利用することを提案したウソップを恨んでくれ。
だから自分は悪くない。
アキトは人知れずゲスな思考に浸る。
だがそこで終わるはずもなく、事態は更に悪い方向へと走った。
クロコダイルとアキトの激突を皮切りに、バナナワニの暴走の影響を受けた地下室の壁が決壊したのである。
ルフィの悲鳴を背後にアキトは本日何度目かの能力の行使を行った。
「サンキュー、アキト!」
「やっぱり凄ェな、アキトの能力は!」
惜しみないルフィとウソップからの賞賛。
対するアキトは疲労のあまり地に両腕をつき、顔を伏している。
キッツ、もぅマジ無理……
冗談抜きで休みたい
今のアキトは真っ白に燃え尽きていた。
流石にクロコダイルとあの此方が圧倒的に不利な状況でドンパチした後に、ルフィ達を含めた周囲の人間を水中から脱出させるのはキツかった。
「だ…大丈夫、アキト?」
「大丈夫ですか、アキトさん……?」
アキトは自分の身を真摯に心配してくれるナミとビビに涙を流しそうになる。
感激の余りアキトは2人を抱きしめたい衝動に駆られるが、自制した。
普通にセクハラ案件であるのと同時に女性の身体に無遠慮に迫るものではないと考えてのことだ。
「……何故、助けた?」
「何故も何も偶然お前がアキトの能力の効果範囲にいただけだ。」
お前らは少しぐらい此方を気に掛けて欲しい。
アキトは切実にそう思わざるを得ない。
その後、ルフィ達はスモーカーの恩情によりその場を離れ、チョッパーが引き連れてきた"ヒッコシクラブ"に乗るのであった。
しかし背後から迫るクロコダイルの魔の手。
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