疑わしきは罰せよ
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に高尚な理由など存在しない。
「くはは、それが貴様らの言う信頼というやつか。」
理解に苦しむぜ、とクロコダイルは嘆息し、アキトに背を向ける。
「そんなに仲間が大事ならば貴様らの言う"信頼"と共に此処で死ね。」
クロコダイルは口元に嫌な笑みを張り付け、今度こそルフィ達の前から立ち去っていった。
「くはは、何なら貴様らの仲間である"Mr.プリンス"を死体で持ってきてやろう。」
クロコダイルは最後まで高笑いを上げ、己のパートナーであるMs.ウェンズデーとともに地下室の扉を閉ざすのであった。
「アキト───!今すぐこの檻の鍵を開けてくれ───!」
「お願い、アキト!」
その後、アキトはルフィ達の懇願を受け、先程奪った鍵で開錠しようとするも……
檻が開くことはなかった。
ですよね─
アキトは納得してしまう。
あの悪趣味なクロコダイルが直に檻の鍵を渡すわけなんてなかった。
「偽物だな、この鍵は。」
「何───!?開かない───!?」
「おいおい、どうすんだよ!?」
さて、どうするか。
アキトは努めて冷静に思考する。
強制的に破壊。
不可能、自分が能力者である限り無理だ。
ピッキング。
実質上、無理に近い。
何故ならそのための道具がない。
例えあったとしてもその技術を自分は有していない。
はい、詰んだ。
「グルルルル……!」
「バナナワニが来やがった───!」
「アキト、後ろ!」
ええい、うるさい。
人が考えている最中に邪魔だ。
アキトは鍵を握りしめた左腕を後方に勢いよく振るう。
能力込みで放たれた鍵は途轍もない速度で飛び、後方のバナナワニの大きく開いた口内へと入り、瞬く間に突き抜ける。
崩れ落ちる身体。
余りの痛みに激痛が身体を支配し、そのバナナワニはその巨体を地に伏した。
『…。』
またしても言葉を失うルフィ達。
余りにもバナナワニが不憫過ぎる。
対するアキトはルフィ達を救出すべく頭を働かせている。
『グルルルル……!』
だが飽きずに続々とその巨体を現してくるバナナワニ達。
まったく人の気を逆撫でるのが上手い連中だ
アキトは無感動に後方へと振り返り、身体に力を入れる。
「ビビ、少し離れてろ。」
抱えていたビビを下ろし、アキトは静かに歩を進める。
「安心してくれ。此処より後ろには一匹も通しはしない。」
「は…はい。」
どこか気の抜けたビビの声が聞こえる。
気のせいだろうか。
ビビの声が上擦り、頬が上気している気がするのだが。
「……ビビ、何頬
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