疑わしきは罰せよ
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ていく。
余りにも不自然な程に。
「砂嵐が……」
「小さくなっていく……?」
ルフィ達の驚愕を他所に、目の前では砂嵐がその勢いを急速に失っていった。
天井に届きそうな勢いで勢いを振るっていた砂嵐が今ではルフィ達を閉じ込めている檻の大きさまで縮まり、やがて人並みの大きさまでに収束しているのだ。
そして遂に砂嵐は周囲に霧散し、完全にその姿を消失させる。
辺りに砂が霧散し、アキトとビビの2人の姿を現した。
「大丈夫だったか、アキト……ッ!?」
「…!?」
ルフィ達は思わず言葉を失う。
見ればアキトの左腕の肘より先の服は無残に破れ、掌からは決して少なくない量の血が流れていた。
流れ落ちる血は床を赤く染め上げ、血溜まりを作り出している。
肩も苦しそうに上下し、アキトは息を切らしている。
服の襟も無残に破れ、大胆にも大きく胸元を開けていた。
羽織っている服もボロボロの状態である。
至る箇所が砂嵐の猛威の影響で傷付き、服が服の役割を果たしていなかった。
「くはは、生きていたか。流石だな。」
「ア…アキト……。」
クロコダイルの予想通りアキトは生きていた。
決して浅くはない傷をその身に受けながらも。
ナミは口元に手を当て、顔を真っ青にする。
ウソップ達も同じように言葉を無くしていた。
「─。」
アキトは何も応えない。
顔を伏し、表情は伺えない状態だ。
「どうした、先程までの覇気がないな。」
「だが大したものだ。この密閉した空間で俺の砂嵐を無効化するとはな。」
珍しくもクロコダイルの口から放たれるは賛辞の言葉。
事実、クロコダイルはアキトの実力を買っていた。
その胆力と実力に。
「……いた。」
「……あん?」
そんな緊迫した状況でもアキトは流暢に口を動かす。
「……片腕でも止めきれないとは少し、驚いた。」
アキトは余裕な様子で砂で汚れた自身の服を血で濡れた手で払う。
ビビを右腕で抱えながら。
「くはは、強がりは止せ。その様子では説得力は皆無だぜ?」
「─。」
アキトは眉根を寄せながらも動揺を隠し、隙を見せないように平静を装う。
ばれている。
自分が見栄を張っていることに。
アキトは静かに冷や汗を流した。
「その腕に抱える無能な王女様を守らなければ怪我を負う必要はなかったというのに、馬鹿な野郎だぜ。」
アキトは静かに視線を鋭くさせ、ビビを抱える右腕に込める力を強める。
「ビビは俺達の仲間だ。そこに助ける理由を問う必要なんてない。」
「アキトさん……。」
そう、ビビは仲間だ。
そこ
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