食卓の時間
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菜とお肉が丈一郎特性のタレによって完成へと近づいていた。
「もーすぐ出来るぞ」
と、某炎の鉄人にも引けを取らないかの様に中華鍋を振るエプロン姿の丈一郎が声をかける。エプロンをしてキッチンに立つ丈一郎の背を中村はボーと眺めて出されたお茶を飲む。
「うん…まぁこんな気はしてたけどね」
リビングは男性の一人暮らしの部屋の割に綺麗で最低限の家具に、いつも丈一郎が使元々備え付けられていた本棚にはギッシリと最近話題の小説から植物図鑑に至るまで本が並べられており、なんとなく丈一郎らしいと思える部屋だった。普段なら一目散に健全な男子なら持っているであろうエロ本という名の宝探しをするのだろうが
『さて、分かっているとは思うが変なことすんなよ?』
と、部屋に入った時にマジな目で念を押されたぐらいだ。ここでそれをやるのは後が怖い。
「しっかし本だらけだけど、こんなの読んでたら頭痛くなりそう…ってなにこれ?」
手元にあったお茶を飲み干し、特にやる事も無いので改めて部屋の本棚を見渡すと本棚の隅の一角にだけ背表紙にタイトルがないものが数冊並べられていた。何の本なのか興味を抱き、タイトルのない本を取る。中を開くと凛とした1人の女性の写真がずらりと貼られていた。
「アルバム…?」
だとすれば、この写真の女性は一体誰なのだろう。1枚ページを捲るとその女性の隣に男性が写っていた。
「うわー…美男美女だ。」
写真の中の女性と男性はどれも笑顔で心の底から幸せそうにしている。海岸の砂浜、古びたお寺、絶景広がる山頂など場所は様々な場所だったが、笑顔が絶えている写真など1枚も無かった。更に1枚ページを捲るとそこには女性の姿がない代わりに男性と道着を着た何処かで見覚えのある金髪の小さな子供の稽古姿が写されていた。
「金髪だけど……これってジョジョ?」
だとすればさっきの女性と男性はジョジョの両親なのだろうか?確かに女性の方の面影が写真の男の子にはあることから血縁関係にあるのは間違いないと思われる。
「ふふ…今のジョジョからは想像出来ないけど、こんなに可愛い時期があったんだ。」
幼い日の丈一郎であろう子供の写真を見て微笑みながらページを捲っていくたびに少しづつ大人びていきジョジョの成長を感じ、自然と頬が緩む。最も全部道着を着て同年代の男の子を笑いながら投げたり殴ったりしている所ばかりなのはご愛嬌という事にしておこう。
「随分と楽しそうだな」
「まぁね。子供の頃のジョジョって可愛いんだろうなぁ…って思ってたけど写真見てみたら予想以上に可愛いんだからっていつからそこに!?」
「今の俺には想像出来な
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