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空に星が輝く様に
133部分:第十話 夏に入ってその十五
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第十話 夏に入ってその十五

「そうしましょう」
「同じ大学に」
「学部は違っても」
 それでもだというのだ。
「同じ大学に行きましょう」
「そうだね」
 陽太郎もだ。月美に言われているうちに頷いてだ。そして言うのだった。
「だったら」
「はい、八条大学に」
「一緒に行こうか。けれどその前に」
「その前に?」
「プール行こうか」
 この話に戻すのだった。
「皆と一緒にさ」
「はい、愛ちゃん達と」
「西堀って泳げる?」
 陽太郎はふと気になって尋ねた。
「泳げなかったら」
「水練をしてましたから」
「水練なんだ」
「あっ、武芸としてやっていました」
 そうだったというのである。
「それで」
「水泳も武芸に入るんだ」
「そうなんです。武士は泳ぎも出来ないと駄目だって言われてましたから」
「馬に乗るだけじゃなかったんだ」
 それを聞いてこう言葉に出して言った。
「それだけじゃなかったんだ」
「だって。敵が来て前に河とかがあったら」
「泳ぐしかないからなんだ」
「だからなんです」
 こう話すのだった。
「それでなんです」
「成程、それでなんだ」
「それでお父さん私に水泳もしなさいって言って」
「それで泳げるようなった」
「はい。今では水泳はやってませんけれど」
 それでもという口調だった。
「泳げることは泳げます」
「居合とか弓道だけじゃないんだ、できるの」
「あっ、流石に馬は乗れません」
 くすりと笑っての言葉だった。
「それは」
「まあそれはさ。今時馬はさ」
「乗らなくてもいいって。お父さんも言ってました」
「そうだろうな。まあ黒王号みたいな馬ならともかく」
 何気に北斗の拳に出て来た巨大な馬の話を出したのだった。馬は本来繊細で気性の優しい生き物であるがそうした常識をも覆した馬であり多くの人間を踏み殺してもいる。大きさは一見して二メートルを優に越える程度であるが時として何十メートルにもなったりする。
「普通の馬はさ。別に」
「けれどあれですよ」
「あれって?」
「お馬さんって大きいんですよ」
 月美は馬のその話もするのだった。
「私なんかよりずっと高い場所に顔があったり」
「ずっとってそんなに大きいかな」
「私にとっては大きいです」
 こう言う月美を見るとだった。確かにお世辞にも背は高いとは言えない。一五六程とやや小柄になるかも知れない。陽太郎はその彼女を見てそれで内心頷くものがあった。
 その彼女がだ。また言うのだった。
「ですから馬術は」
「無理なんだね」
「ちょっと」
 苦さと困ったものを混ぜ合わせての言葉だった。
「私には」
「そうなんだ。それでも泳げるんなら今回はね」
「問題ありませんか」
「うん、だから楽しく行こうよ
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