第25話:問題抱えて、ただいま〜!?
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解りませんし、相手も此方に何かするという事もありませんでした。ただ、不思議なことにその時から今までずっと、見えているのに見ていないと言う状態だったのが、アルメリアさんと話した後で、もしかしたらあの影は精霊なのではないかと気がついたのです。」
「精霊?アルバートは精霊が見えるようになっていたというの?」
「その様です。そして、その事に気がついて、あらためて自分の周りを見渡したら、沢山の精霊がいる事に気がつきました。精霊は4つの色に分かれていて、赤が火の精霊、青が水の精霊、薄い水色が風の精霊で茶色が土の精霊だったのです。」
「4つの色か。魔法の属性と同じなんだな。」
「そうです。そこでアルメリアさんにやり方を教えてもらって、自分の手の平の上に火の精霊に集まってもらうと、そこに炎が生まれました。その上、手の平の上で綺麗な炎が踊っているのに、ちっとも掌は熱くなりませんでした。」
「それは精霊魔法か?」
「はい。これで僕は精霊魔法が使えるという事が解ったのです。こんな風に。」
そう言って、掌を上に向けて前に出し、『ファイアリー』に集まって炎になってくれるようにお願いすると、部屋の中を飛び回っていた『ファイアリー』が集まってきて、手の平の上で炎の踊りが始まりました。
父上も母上も声もなく見つめています。少しして、『ファイアリー』に分かれてもらうと炎も消えました。
「アルバート。絶対人前でその力を使うのではないぞ。間違ってもロマリアなどに知られれば異端審問で殺されてしまうからな。」
「解っています。ただ、問題はまだありまして、何時までも火の精霊と呼ぶのもつまらなかったので、それぞれの精霊に名前を付けてしまいました。火の精霊は『ファイアリー』、水の精霊は『ウンディーネ』、風の精霊は『シルフィード』そして土の精霊は『ノーム』です。」
「精霊にまで名前を付けたのか?相変わらず変な事を考えるヤツだな。それで精霊は許してくれたのか?」
「はい。許してくれて、その上、とても喜んでくれました。おかげでこんな火石を作って貰えたのです。」
そう言って、持ってきた火石を両親の前に出して見せました。
「これが火石か?なるほど、今まで見た事のあるルビーよりも遙かに大きいが、透き通るような綺麗な赤だ。」
「本当に、何て綺麗なんでしょう。初めて見たけれど、こんなに大きな火石って、いったいどれだけの力を秘めているのかしら。」
「そうですね。この火石の力を制御して引き出す方法も考えないと行けません。まあ、それは置いておいて、この火石を作るために、僕達がいた場所の周囲、どれくらいか解りませんがおそらく数十リーグの範囲で、一時的に『ファイアリー』がいなくなりました。そのためエルフの集落でも火が使えなくなったりし
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