第58話 ヴァンフリート星域会戦 後編
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ブリンは叫びたかったしかし我慢したのだ、男と男の戦いに女がしゃしゃり出てはいけないと。
勝負のついた後で、イブリンがリューネブルグへ駆け寄り傷口へ止血剤をスプレーしている。
リューネブルグの前には、虫の息のオフレッサーが倒れて居る。
オフレッサーが独り言を言うように話している。
「俺は体一つで、此処まで来た、最後に敵艦の中で死ぬのも面白い」
そう呟きながら、口から大量の血を吐きながら咳き込んで息をひきとった。
「装甲擲弾兵総監オフレッサー上級大将に敬礼」
リューネブルグ准将の言葉に、その場に居合わせた全員が敬礼を行う。
艦橋では重傷のロボス司令長官とグリーンヒル総参謀長が軍医によりストレッチャーに乗せられ移動して行くのである。
その後病院船に怪我人を移した迎撃艦隊は敵残兵の収容を行い戦場清掃を工兵艦隊に任せてエルゴンやシャンプール泊地で停泊を行い別働隊の戦果を待つのであった。
宇宙暦794年 帝国暦485年4月7日
■イゼルローン回廊同盟側出口
ヴァンフリート星系から敗退した帝国艦隊は、ミュッケンベルガー元帥の犠牲の下、イゼルローン回廊付近まで逃げてきたが、イゼルローン回廊へ逃走する帝国艦隊を遮るようにラルフ・カールセン中将の第2艦隊、アル・サレム中将の第9艦隊が側方攻撃を仕掛けてきた。
第2艦隊は昨年10月に昇進したラルフ・カールセン中将に指揮権が移り猛訓訓練を終え794年度第2期目の辺境パトロールのためにシャンプール泊地へ向かったと言う口実でこの戦闘に参加している。第9艦隊は794年度第1期の辺境パトロール中に戦闘に遭遇したとの口述であった。
帝国軍は補給もなく満身創痍の状態で有ったために強行突破しか作戦がなかった。同盟軍はそんな死にものぐるいの窮鼠猫を噛む状態の帝国艦隊を態々正面決戦をする気もないのである。そんな敵の前に立つのは愚の骨頂と言う事で回廊出口付近で待ち伏せを行い攻撃しているのである。しかもご丁寧に工兵部隊の手により回廊出口付近に500万個に及ぶ宇宙機雷を配置したのである。
そして、大半の残存艦隊は指揮系統も殆ど無い状態であり、乱れた状態での残存帝国艦隊が機雷原に高速で突入を開始した。ラインハルトも統一指揮出来る権限が無く結果的に自分の分艦隊の損害を押さえる事しか出来ない状態で有った。
その結果、宇宙機雷により爆撒する帝国艦隊という光景がイゼルローン回廊同盟側出口に沸き起こった。同盟艦隊はロボス司令長官最後の命令に従ってイゼルローン回廊出口での狩猟を終えると、残存機雷の徐去を行い、終了後に第2艦隊はパトロールに、第9艦隊はエルゴン経由でハイネセンへと帰還した。
こうしてヴァンフリート星域会戦は帝国軍の大敗北という形で幕を下ろした。
ヴァン
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