厄災の月
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れ過ぎてしまうのではないかとラクサスが問う。すると、それを待っていたかのようにティオスは即答した。
「残念だが、イグニールが姿を消したのは15年前じゃないんだよな」
「は?」
「エクリプスの扉は知っているだろ?」
ゼレフが開発した時を繋ぐ扉、エクリプス。かつて未来のローグが大騒ぎを起こすきっかけとなってしまった苦々しい記憶もあるそれを、忘れるはずがない。
「今から400年前、竜王祭が開かれた。人との共存を望むドラゴンとそれを拒むドラゴンの戦い。だが、それはアクノロギアの登場により勝者なき終焉を迎えた。
それで話が終わればよかったんだがそうはいかなかった。力を付けすぎたアクノロギアは誰にも止めることはできなかったんだ。
やがて一国をも消し去るほどの力を手に入れた奴を倒せるのは同じドラゴンしかいない。だが、当時はすでにドラゴンたちの力は無に等しいものだった。
だからドラゴンたちはある作戦を立てた」
「作戦だと?」
「そう、それは未来に自分たちが使う滅竜魔法を修得させた滅竜魔導士を送り出すこと」
その時選ばれたのがナツ、ガジル、シリル、ウェンディ、グラシアン、スティング、ローグの7人。彼らはナツ以外天涯孤独の身となっていたことから選ばれた。ナツにはゼレフがいたが、当時の彼は兄であるゼレフの言うことを聞かなかったため、ゼレフの友人であるイグニールに預ける形を取ったのだ。
「ドラゴンたちは滅竜魔導士たちの体内に入り、エーテルナノが高いこの時代においてアクノロギアを倒すために準備をしてきた。15年前、魔法を教えてくれたドラゴンたちがいなくなったんではない。400年前からたどり着いたのが15年前の世界だっただけだ」
かつてバトル・オブ・フェアリーテイルにおいてナツとガジルが出れなかったのは体内にドラゴンがいたこと、そして時代を跨いだことにより年齢がうまく識別されず術式に引っ掛かってしまった。
「だから黒魔導士とナツが兄弟であっても何ら不思議はない。ナツは時を越えたことにより、周りからはこの時代の子供と勘違いされただけだ」
ナツとゼレフが兄弟・・・それを知ったことにより彼らの同様は大きかった。だが、それを気にしない者もいる。
「それがなんだってんだ」
「ん?」
「ナツが誰と兄弟だろうと関係ねぇ。あいつは俺たちの大切な仲間だ」
血の繋がりなど関係ない。それ以上の深い絆で結ばれた仲間たちがいる。ラクサスのその言葉を聞いたスティングたちは、心なしか落ち着いたように見えた。
「仲間か・・・それを思いすぎたがために、オーガストは厄災の魔導士と呼ばれるようになったんだがな」
厄災の魔導士・・・そ
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