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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
厄災の月
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・・・なんだ・・・このデタラメな強さは・・・)

ジェラールは地面に手を付きながら男を見上げる。ハルジオンで戦った天海・・・彼とは異なり魔法を駆使して戦ってくるオーガストに傷ひとつ付けることができずに苦悶の表情を浮かべていた。

(だが聴こえるぜ、お前の動き)

まだ完全に勝機が消え失せた訳ではない。エリックは立ち上がると自らに聴こえる彼の音を頼りに突進を試みる。

(私にも聴こえておるよ、君の動き)
「!!」

目の前まで迫って来ていた。だが、それにいち早く反応したオーガストは杖から魔力を放出しエリックを弾き飛ばす。

「ならばスピードで!!」

次は自分がとソーヤが自慢のスピードでオーガストへと接近する。しかし、先に間合いを詰めたのはソーヤではなかった。

「遅い」
「がはっ!!」

ソーヤのスピードを上回るオーガストのスピード。だが、彼に意識が完全に向いていたことで男は隙だらけだった。

「スパイラルペイン!!」

渦を巻くように魔力を放出させオーガストを捉えるマクベス。

「面白い魔法だ。だが私も心得ている」

不意をついたにも関わらずそれをあっさりと打ち消すと、オーガストは何倍もの大きさのスパイラルペインを打ち出し彼らを蹴散らした。

(どうする・・・!!)

なす統べなくやられることしかできない魔女の罪(クリムソルシエール)。けた外れのオーガストの力を前に、活路を見出だすことはできなかった。


















今から100年ほど昔、まだ建国されたばかりのアルバレス帝国ではある噂が流れ始めていた。

「なぁ、知ってるか?」
「何を?」
「俺たちを苦しめているのは、オーガストって魔導士らしいぜ?」

アルバレス帝国はこの時、スプリガンを取り巻く魔導士たちのことを詳しく知らなかった。そのため、彼と共にこの国を造り上げた第一人者であるオーガストの名前など、多くの者が聞いたことがなかった。それだけ彼はスプリガンを立て、自らは黒子に徹していたということ。

「なんでもそいつは8月になるととてつもない魔力を手に入れることができるらしい。それを利用してこの一ヶ月間、俺たちを苦しませているらしいんだ」
「ひでぇな、そりゃあ」

噂は瞬く間に広がった。この8月になった途端に起こる厄災は全てが彼が原因。それを聞いた人々は恐怖を抱かざるを得なかった。

「まさしく厄災の魔導士ってわけか」
「あぁ。ひどいもんだぜ」

緋色の絶望を言われたアイリーン。彼女の高い魔力と実力から、他国から攻めてきた者たちが「出会ってしまえば勝ち目などない絶望感を与える存在」と比喩したことから名付けられた。
それに対しオーガストは、自らが悪に
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