第十一幕その六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「皆が見ている姿と鏡で私が見る姿が同じになったのよ」
「そうなったんですね」
「私は心が老いていたの」
それがかつてのイクシー女王だというのです。
「身体ではなくてね」
「それでそのお心が正しくなられて」
「若くなったらね」
その時にというのです。
「今みたいになれたの、よかったわ」
「ご自身の問題だったんですね」
「そうなるわね、そのことがわかったのも」
カルロスににこりと笑って言いました。
「バド王とフラフ王女のお陰よ」
「お二人にお会いしてですね」
「今みたいになったわ」
「そうですか」
「ええ、あとね」
「あと?」
「折角来てくれたから」
ここお話を変えたイクシー女王でした。
「おもてなしさせてもらっていいかしら」
「それじゃあ」
「今からパーティーよ」
おもてなしのそれだというのです。
「是非来てくれてね」
「今からですね」
「そうさせてもらうわね」
「ではね」
トロットが女王に応えました。
「宜しくお願いするわ」
「それではね」
女王はトロットにも応えてでした、そのうえで皆を王宮の食堂に案内しました。そこも壁が鏡になっていてです。
テーブルも鏡です、その鏡のテーブルの席に座ってです。そのうえでおもてなしの美味しいものを頂くのですが。
テーブルの上のお料理を見てです、五人は少し驚いて言いました。
「フォンデュですか」
「チーズフォンデュですね」
「これを出してくれたんですね」
「これは想像していませんでした」
「何かと思っていましたけれど」
「そうなのね、実は私チーズが大好きで」
笑顔で応えた女王でした。
「フォンデュもよく食べるの」
「そうなんですね、ただ」
ジョージは自分達の前にあるお鍋を見ました、そこに白ワインと一緒に煮られて溶けているチーズがあります。
「意外でした、フォンデュとは」
「そういえばオズの国ではフォンデュを食べたことは殆どなかったですね」
神宝もこう言います。
「チーズはよくあっても」
「ですから驚いていますが」
ナターシャはフォンデュに入れる串に刺したお肉やソーセージ、ベーコンにハム、茸やパンを見ています。
「期待しています」
「凄く美味しそうです」
恵梨香はにこりとしています、見れば他の皆も同じです。
「チーズも入れるものも」
「では今からですね」
カルロスも言います。
「フォンデュを皆で」
「召し上がってね」
これが女王の五人への返事でした。
「好きなだけね」
「はい、それじゃあ」
「今からですね」
「皆でフォンデュを食べるんですね」
「そうして皆で楽しんで」
「素敵な思いをするんですね」
「そうなってね」
にこりと笑って言う女王でした、そしてです。
皆
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ