第十一幕その五
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その鏡の間の玉座にとても奇麗な十六歳位の紫のドレスを着た金色の冠を被った奇麗な人がいました、その奇麗な人を見つつトロットは五人に紹介しました。
「この人がこの国の主よ」
「イッソスの国のイクシー女王」
「まさにその人ですね」
「そうよ」
その通りと答えたのは女王ご本人でした。
「私がイクシー女王よ、はじめまして」
「はじめまして」
皆で女王に挨拶をしました。
「宜しくお願いします」
「こちらこそね」
「お待たせしたわね」
今度はトロットが笑顔で言ってきました。
「色々なお国を回っていたから」
「いえ、楽しみにしてたから」
「私達が来るのを」
「待つのは苦しくなかったから」
だからだというのです。
「気にしないで」
「そう言ってくれると嬉しいわ、じゃあね」
「プレゼントね」
「それを贈らせてもらうわ」
こうしてイクシー女王にも贈りものが渡されました、それからでした。
イクシー女王は皆に笑顔でこうも言いました。
「それじゃあ今からパーティーよ」
「私達を歓迎してくれてよね」
「ええ、そうよ」
その通りとトロットに答えます。
「そうさせてもらうわ」
「有り難う、今回は皆にこうして歓迎してもらえて」
「嬉しいのね」
「とてもね」
女王に笑顔で答えます。
「嬉しいわ」
「そう思ってくれるなら何よりよ。じゃあね」
「今からね」
「パーティーを開くわ。この宮殿の大広間で」
「あのお部屋ね」
「そう、あそこで開くから」
こうトロットに言うのでした。
「楽しみにしていてね」
「それじゃあね」
「皆来てね」
トロット以外の旅人達にも言うのでした。
「そうして楽しんでね」
「はい、そうさせてもらいます」
カルロスが笑顔で答えました。
「これから」
「そうよ。けれど皆ね」
女王は五人を見てにこにことして言いました、もう玉座から立って皆のところに来てにこにことしてお話をしています。
「とても元気で何よりよ」
「元気がですね」
「最大の宝でしょ」
だからだというのです。
「何よりも」
「人は元気ならですね」
「それだけで幸せなのよ、私もね」
ここでご自身の鏡に映るお姿を見た女王でした、そのお姿は皆が見ているお姿と何も変わりはありません。
「昔は違ったから」
「鏡に映るお姿をですね」
「嫌だったの」
そう思っていたというのです。
「お婆さんのそのお姿をね」
「そう聞いてます」
「けれどそれはね」
「女王のお心だったんですね」
「年老いていたその心だったのよ」
鏡に映し出されていたのはです。
「そのことがわかってね」
「お心をですね」
「正しく持つ様にしたら」
そうしたらといいますと。
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