猫娘と明かされる秘密編
NO.050 帰ってきたヒーロースーツ
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が、やっとのことで出久も普通に登下校できるまでには状態は回復できた。
それでも電車通学のために言い寄られる事がたびたびあったので冷や冷やものだったらしい。
だが、悪い事だけではなかった。
インゲニウムのファンからは何度も「ありがとう」と感謝の言葉を貰ったからだ。
それだけで出久もやってよかったと思えた。
「……まぁ、そんな感じで少しだけまだ大変かなぁ……」
朝の登校でお茶子と飯田と合流して歩いていた出久はそう締めくくりながら話す。
「デクちゃん、大丈夫……? 顔が少し疲れてる感じだよ?」
「麗日さん、大丈夫大丈夫。体力だけはあるから」
そう気張っている出久だけど、猫耳と尻尾の毛並みが少し萎れているのでお茶子は「やっぱりデクちゃんは私が守らないと!」っと、気持ちを新たに気合を入れていた。
「緑谷君……俺の兄の件で迷惑をかけてしまい、すまない」
「飯田君! そこは気にしちゃだめだよ! 僕の意思でやったことなんだから!」
「それでもこう毎日騒がれては緑谷君も身が持たないだろう……?」
「そうだよデクちゃん。何か言って来たら私も加勢するからね?」
「うむ。俺も緑谷君を守るためならなんでもしよう」
そんな二人の気持ちに感謝の念を感じた出久は、見惚れるような笑顔を浮かべて、
「二人とも、ありがとう……」
「「ッッッッッ!!」」
表裏ない心からの言葉と表情に二人は胸を押さえて過呼吸気味になるのを必死に我慢しながらも、
「(うん!)デクちゃん、カワイイよー!」
「(素直に受け取っておこう!)……イイ」
「二人とも!? なんか本音と建前が逆になってない!?」
こうして仲良し三人組はいつも通りの日常に戻っていく。
だが、やはり飯田は二人の女子と一緒に仲良さげに歩いているために嫉妬の視線を一身に受けている。本人が自覚がないためにスルーされているが、普通なら胃を壊しそうなものだろう。
そして朝のホームルームでは、
「特にこれといって重要な話は無いんだが、緑谷に飯田。お前ら二人のコスチュームが修繕が終わって返ってきたから後でチェックをしておけ」
「了解しました」
「わかりました。あ、それと少しいいでしょうか?」
「なんだ、緑谷?」
出久が手を上げて意見を言いたそうにしていたために相澤は内容を聞く。
「はい。ちょっとコスチュームを改造したいんですけど、そういうのってどこで申請すれば通りますかね?」
「ほう……もう改造計画を立てているのか。向上心があっていいな。そういうのはサポート科担当のパワーローダー先生に話せばなんとかなると思う。昼に職員室に来い。話しておくから」
「ありがとうございます!」
それでホームルームは終了して相澤が教室を出て行くのを皮切
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ