解決?
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君の――いや、私の進言通りか。整備計画課のオーラン課長のところから不正の証拠が山ほど見つかったよ」
「でしょうね」
先日の話で、自白したといっても良い整備計画課。
黙秘をしたといっても、いまさら過ぎる証拠の山だと嘆くようにセレブレッゼは語った。
「一方でアース社は営業課長の尻尾を切って終わりですか」
「そこはあちらの方が上手だったのだろうな。形成が不利になると、即座に尻尾を叩ききった。まあ、その尻尾もその後の人生は面倒を見るとでも言われたのかもしれないがな」
先ほどの矛盾した報道内容のとおりだろう。
アース社はトゥエインを切り捨てた。
しかし、認めれば後々の生活は面倒をみると説得し、彼は進んで今までの癒着について語るだろう。
それは。
「さらに上の癒着を誤魔化すためでしょうね」
「女狐がまじめな顔で語っていたな。一番関わっていたのは奴らだろうに」
「同じ尻尾を切られるにも、オーラン准将のようにはなりたくありませんね」
アース社は使えないとなれば、即座にダメージの少ない場所を切り落とした。
それこそ蜥蜴が尻尾を切るように。
一方で、本来は整備計画課長であるオーランを操っていた上層部はいまだに現れない。
政治家か軍か。
金で黙らされた営業課長に対して、オーランは話せばさらに罪が重くなるところまで追い込まれたか、あるいは命の危険を感じたか。
その部分で言えば、政治家も軍も黒幕が表に出ないことを徹底しており、逆にアース社は企業として資金で抑えることにしたといえる。
どちらにしても、その黒幕の姿は見えないわけで。
冗談が混じった口調を変えて、アレスは苦い顔を作った。
「厄介ですね」
「まことにな。いまの憲兵は反戦思想ばかりを狙って、本来の職分を忘れている。きっと今頃は厄介ごとを後方作戦本部に押し付けて、飲み会でもしているのだろう。君を推薦しておこうか」
「では。すぐに閣下のもとに向かいますね」
「やめておこう。冗談はさておき、要件だ」
疲れた顔をしていたセレブレッゼだが、どことなく楽しげな表情を浮かべて言った。
「君の案件である、装甲車における脳波認証のシステム改修はアース社が全てを負担することになった」
「まあ、癒着とされた根本の原因ですから、そうでしょう」
「アース社はこれをもって幕引きとしたいようだな。見事なものだ」
「ありがとうございます」
「これで君が来た理由もなくなるわけだ。まったく、できれば、これからも私の下で働いてもらいたいものだが。そうもいかなそうだ」
「どういうことです?」
そこで、セレブレッゼは初めて笑みを作った。
「なに、それは今後のお楽しみという奴だ。ともかく、君は今まで休みなく働いてくれた。来週は休みにしておくからゆ
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