125部分:第十話 夏に入ってその七
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第十話 夏に入ってその七
「六人でね」
「そういえば赤瀬ってよ」
狭山はその赤瀬に対して問うた。比較的背の高い彼だがそれでも相手が赤瀬だとかなり見上げてしまっている。途方もない高さであるからだ。
その赤瀬に言うのであった。
「水着とか。その服とか全部あれか?」
「特注かって?」
「やっぱりそうなのか?」
その巨大な彼への問いだ。
「あの超長ランもそうなのかよ」
「そうだよ。デザインは同じだけれどね」
「そうか、やっぱりそうなんだな」
「週刊少年チャンピオンの番長漫画の悪役みたいだって言われたこともあるよ」
赤瀬自身の言葉である。
「実際にね」
「そうか、そんなことも言われたんだな」
「ラスボスとかで出て来る巨大なのね」
それだというのだ。
「昔のチャンピオンってそういう漫画が多かったそうだし」
「凄い漫画多かったんだな、昔のチャンピオンは」
狭山は赤瀬の話を聞きながら思うのだった。
「そんな漫画ばっかりだったのかよ」
「他にはマガジンでも三十年近く前はこういう格好の人多かったよ」
「昔の不良って制服長かったからね」
津島もここで言う。
「それでリーゼントとかしてね」
「ああ、リーゼントな」
陽太郎もリーゼントという言葉には反応を見せた。
「あれ結構好きな髪形なんだけれどな」
「御前は似合わないと思うぜ」
「止めた方がいいわよ」
狭山と津島は彼は止めた。
「それはな」
「あんたは今の髪型が一番よ」
「ああ、一回中三の時に風呂前にやってみたんだよ」
彼自身もそれはしたことがあるのだという。
「ところがこれがな」
「酷かっただろ」
「目も当てられないとか」
「ああ。額の形がよくなくてな」
リーゼントは額をあげるものだ。ジェームス=ディーンを見てもそれはわかる。だから額の形がかなり重要になってくる髪形なのだ。
そしてその額のことをだ。彼等も話すのだった。
「それで止めたんだよ。ポマードも何か好きになれないしな」
「リーゼントはやっぱりポマードだからな」
「ジェルだとオールバックになるからね」
ここが難しいのだ。尚オールバックといえばナチスの宣伝相ゲッベルスが有名だが彼を見てオールバックを止めた人間もいるかも知れない。
「ポマードじゃないと駄目なんだよ」
「そうそう」
「そうなんだよな。それでリーゼント止めたんだよ」
「正解だな」
「そうね」
その彼にまた言う二人だった。
「まあとにかくだ。六人だからな」
「わかったわね」
「ああ、わかったよ」
話は戻り一瞬で終わった。
「それじゃあ。西堀とか」
「期待しておくこと」
またぽつりと言う椎名だった。
「つきぴーに」
「西堀にかよ」
「あと何気に津島も。期待できる
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