第5章:幽世と魔導師
第161話「多勢が無勢」
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「く、ぅ……!」
「っ、ぁ……!」
矢の雨が収まった時、立っていられたのはほんの僅かだった。
ほとんどが防ぎきれず、躱しきれずに矢が当たり、倒れ伏していた。
幸いとも言えるのは、全員まだ致命傷を負っていなかった事だ。
「皆……!」
「そんな……!」
立っているのは、霊術を扱えた久遠とアリシア達だけだった。
霊術による障壁の分、他の皆よりもダメージが少なく済んだのだ。
しかし、それでもダメージは大きかった。
「この、よくも皆を……!」
神夜もまた、十二の試練の蘇生により立ち直っていた。
しかし、一人だけでは敵うはずもなく、再び返り討ちにされていた。
「っ……!」
そこで、アリシアは守護者と目が合った。
それだけで、体の震えが止まらなくなった。
実戦の恐怖は理解していた。生半可な相手ではないともわかっていた。
それでも、皆を倒した相手に、恐怖に陥られずにはいられなかった。
「ぁああああああああ!!」
―――“弓技・螺旋”
―――“弓技・閃矢”
叫びながらもアリシアは矢を放つ。
火事場の馬鹿力なのか、それらの威力は今まで放ってきたのよりも高い。
ギィイン!ギギィイン!
「アリシア!」
「っ、ぁ……」
しかし、それらはあっさりと守護者の刀によって弾かれてしまう。
そして、そのまま反撃の矢を躱しきれず……。
「く、ぅ……!」
「く、久遠……!」
久遠の薙刀によって、辛うじて逸らすことができた。
しかし、それで大きく体勢を崩す。
これでは、次の攻撃を防ぐ事も躱す事も出来ない。
アリサとすずかも、ダメージが大きくすぐに動く事は出来なかった。
「っ……。……?」
……だが、追撃が襲ってくる事は、なかった。
なぜなら……。
ギィイイン!!
「蓮、さん……?」
各地に散らばっていた式姫達が、ここに集結したからだった。
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