第5章:幽世と魔導師
第161話「多勢が無勢」
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の刀を投影する。
「(俺の技量じゃ、接近されれば確実に斬られる。だからと言って、目をつけられた以上接近を防げない。だったら、“憑依経験”で……!)」
投影したのは、“物干し竿”と呼ばれる五尺余りの備中青江の刀。
正式名称は“備前長船長光”といい、かの佐々木小次郎が愛用していた刀である。
そして、その刀を投影する事で、憑依経験で佐々木小次郎の技量を再現する。
「(ここだ……!)」
武器群を切り払いながら守護者は帝に迫る。
そして、間合いに入る瞬間。守護者の攻撃動作が始まると同時に帝も動く。
「秘剣……!」
「っ……!」
それは、三つの斬撃が一振りの元“同時に”繰り出される剣技。
刀を振るい続け、空を飛ぶ燕を斬るために磨かれた剣士の技。
……これは、その劣化版の再現。同時ではなく超速の三連撃。
「“燕返し”!!」
ギギギィイイン!!!
だが、例え劣化版だとしても。
その技は確かに守護者を怯ませた。
帝では絶対に反応しきれなかった攻撃を見事に防ぎ切り、守護者の体勢を崩した。
「これなら、どうだ!!」
―――“射殺す百頭”
そして、地上から神夜が砲撃魔法の如きホーミングレーザーを九発放った。
遠距離技なので、先ほどのように反撃される事はないと踏んだのだろう。
―――“扇技・護法障壁-真髄-”
―――“弓技・瞬矢-真髄-”
ドスッ!
「……ぁ……?」
……そう考えてしまったため、神夜はその一撃を躱せなかった。
守護者は九つのレーザーをできる限り躱し、躱しきれないのは障壁で逸らした。
そして、他の面子から放たれる援護射撃を身を捻りながら躱しつつ、矢を放ったのだ。
本来なら、如何なる攻撃も効かない前提で動く必要があったのだ。
「っ、がぁっ!?」
そして、同時に帝も撃墜された。
神矢と同じように放たれた矢は、咄嗟に張った“熾天覆う七つの円環”で防ぐことができたが、横サイドからの瘴気の触手による一撃を防ぎきれずに叩き落されてしまったのだ。
「ッ……!『気をつけろ!!僕ら全員、捕捉されているぞ!!』」
その時、クロノは大きく跳躍した後に自由落下している守護者を見て戦慄した。
自分たちの位置が今ので把握されたためだ。
急いで念話で警告を発したが、一瞬遅かった。
「遅い」
―――“弓技・矢の雨-真髄-”
矢の雨が放たれた。
それは“雨”と呼ぶにはあまりにも鋭く、狙い澄まされたものだった。
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