第47話 現在の状況
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大佐はカシウスさんの不在を狙っていて今回チャンスが来たから行動に移し出したんだろう」
「じゃああの黒いオーブメントは何の為に用意したの?」
「あれは導力を打ち消してしまう力を持っている。今の時代、導力を使わない技術なんて無いくらいに広まっている、そこに導力を打ち消してしまう道具が出てくれば驚異以外の何でもない。クーデターを起こすときに反抗する者たちの導力武器やアーツなどを使えなくしてしまえば制圧するのはたやすいからその為に用意したんじゃないか?まあ憶測にすぎないけどね」
そうなると匿名でカシウスさんに黒いオーブメントを送ろうとした人物が気になるが、今そんなことを気にしても答えは出ないだろう。
「……なんかすごい状況になってきたね」
「ああ、今まで多くの戦場を駆け巡ってきたが今回の事件はそれらに匹敵するほどの大事になりそうだな」
「それで、もし本当にクーデターが起きちゃったらわたしたちはどうする?騒ぎの混乱に乗じて逃げちゃう?どの道そうなったらカシウスが返ってきても西風には戻れなくなりそうだし」
フィーはジッと俺を見つめながら逃げるかと提案してきた。俺がこの国に残ったのはフィーを探すためだ、目的が達成できたのでもうこの国に残る必要はない。
もしクーデターが起こったとすればこっそり逃げ出してもバレにくいだろう。
(だがクーデターが起これば争いになる、そうなれば死者が出るかもしれない……つまりお世話になったエステルさんやヨシュアさん、シェラザードさんやアイナさん、メイベルさんにリラさん、フィーがお世話になった孤児院の皆……沢山の人が危機に陥るかも知れない)
クーデターが実際に起きれば当然反抗する者たちは現れる。その争いに巻き込まれて命を落とすのは何時だって力ない民衆ばかりだ。俺の知り合った人たちだって例外じゃない。
「……フィーはどうしたい?」
「……わたしは残りたい。クローゼや孤児院の皆、それにティータが危ない目に合うかも知れないのに自分だけ逃げるのは嫌」
残りたい……フィーならやっぱりそう言うよな。さっき逃げると聞いたのも俺の気持ちを聞いておきたかったんだろう、もし俺が逃げると言えば彼女は自分の気持ちを押し殺して従うに決まっている。
「フィー、俺たちは猟兵だ。それがバレれば今まで親しくしてくれた人たちに敵意を向けられるかもしれないんだぞ?ましてやクーデターなんて何が起こるか分からない、最悪あの黒装束たちと命を奪いあうことになるかも知れない。フィーを傷つけた金と黒の剣を持った男とも戦う事になるかもしれないんだぞ?」
フィーが前に戦い負傷させられた黒装束たちのリーダー、こいつは間違いなく出てくるだろう。実際に出会ったことは無いが危機察知能力に優れ
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