第47話 現在の状況
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イスのラッセル博士誘拐事件……このすべての事件に黒装束たちが絡んでいた。その上司であるリシャール大佐も関わっていたということだ。
初めて会った時は遊撃士に期待しているなどと言っておいて内心ではほくそ笑んでいたという訳か、狡猾な男だ。
「でもリシャール大佐は一体何をしたくてあんな事件を起こしたのかしら?」
「自作自演の事件を解決することで民衆の支持を得たかったんじゃないの?実際今凄い人気だし」
エステルさんの疑問にフィーが答えた。
確かにそれはあり得そうだ、リベール通信によれば空賊事件やルーアンの市長の逮捕などは彼の手柄になっていた。ラッセル博士の誘拐については親衛隊のせいにすることで彼らを失墜させたしこれも目的の一つだったんだろう。
「何を企んでいるのかは正直、今の段階では分かりません。でも今まで隠密行動を取ってきた情報部が表舞台に堂々と出てきたという事はもうコソコソとする必要がなくなったんじゃないでしょうか?」
「つまり、あいつらはもう既に何らかの計画を開始する準備が出来たという事なのかしら?」
「恐らくは……」
親衛隊にモーガン将軍などの捕らえられた将校たちはリシャール大佐の企みには邪魔なんだろう。だから逮捕したりテロリストとして罪を擦り付けたんだろう。
「もしかして武術大会に出ているのもあたしたちの目的がバレたからなのかしら?」
「流石にそれはないと思います。デュナン侯爵がグランセル城に招待すると言ったのは予選が終わってからですし他に目的があるのかもしれません」
「もしくはデュナンっていう奴を既に仲間に入れていて、エステルたちを誘い込むためにああ言わせたとか?」
「確かにあの人ならリシャール大佐に上手い事言いくるめられているかもしれないね、まあそんなことを言い出したらキリがないんだけど」
エステルさんは自分たちがアリシア女王陛下に会おうとしているのがバレたのではないか、と言ったがその可能性は低いだろう。もしそれを情報部が知ったのならどんな手を使ってでも止めようとするだろう。
すると今度はフィーがデュナン侯爵がリシャール大佐たちの仲間なんじゃないかと発言した。確かにあの人見た感じ能天気そうだったしその可能性もありそうだ。エステルさんたちは既に何回も黒装束と戦っているため危険人物とマークされていてもおかしくないしな。
「まあ例え罠だとしても武術大会を勝ち抜く以外に女王陛下に会える方法はないんだから勝つしかないわよね」
「でもあの黒装束たちを率いていたリーダー格の男がいる以上厳しい戦いになりそうです」
「フィルはルーアンでそいつと出会った事があるのよね、どんな感じだったの?」
「……凄く強かった、エステルに分かりやすく説明するとカシウスと戦ったような気分
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