四十五
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草はらや
緑の衣
なほ深く
留めし想ひの
隠しけるかな
梅雨も近くなれば、草木はより深い緑となり…まるで緑の衣をもう一枚羽織ったかのような…。
それはまるで春の思い出を逃すまいとしているかのようで…私の想いすらも隠してくれているような気がした…。
風待ちて
雲居に惑ふ
朧月
影そ幽かに
想ひ零るゝ
蒸し暑い夜…空には雲がかかるが、時折薄っすらと月が見える。
雲間から見えるのは朧月…足元を照らすだけの力はないが、その微かな光は…不意に、消えぬ想いを胸の内に溢れさせた…。
この寂しさも、いつかはこの月のように…朧気になるのだろう…。
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