第57話 ヴァンフリート星域会戦 中編
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はないが、このヴァンフリート星系ならば充分に使える手だと判った。
工兵隊の総力上げて作った珍兵器だが、そろそろ発射する時間だ、後はアイアースからの指令を待つだけだ。
宇宙暦794年 3月31日 20時05分
■同盟軍総旗艦アイアース
後退するアイアースは、第一小惑星帯を抜け後退を続けている、帝国艦隊が小惑星帯を抜けようとしてきた瞬間、アイアースからシヴァに指令が発せられた。
「シヴァに指令。此方広場、アイスキャンディーを送れ」
『此方広場、アイスキャンディーを送れ』
ロボスの指令に通信員が復唱しながらシヴァに指令が送られる。
シヴァの指令により、バサード・ラム・ジェット・エンジンを装備した一個の重量が10億トンに及ぶ氷塊、ドライアイス、メタン氷や、ロケットで加速した隕石などが次々に帝国艦隊の居る宙域へ発射されたていく、その数1万個以上、その大量の質量兵器が帝国艦隊へと突き進んでいく。
ロボス総司令部艦隊が影となりその進行を帝国艦隊へ視認させないようにしていたので、帝国艦隊がその存在を知ったのは、ロボス艦隊6000隻が急上昇で天頂方向へ逃げ去った直後であった。
ヴィルヘルミナ艦橋で突如現れた多数の大質量兵器に帝国軍は狂ったように攻撃を行い始めるが、全く効かずに艦隊に突き進んでくる。
「撃てー!撃てー!!」
「回避しろ!!」
叫び声が各艦で響く、無秩序な回避を行い艦同士が衝突を起こす、此も小惑星帯を通過する際に艦隊の密度を上げた結果であり、そうせざるを得ないようにロボス総司令部艦隊の後退航路設定を行い、帝国軍が艦隊を纏めながら追撃してこないといけないようにした、悪辣な罠の一つであった。
質量兵器の攻撃で混乱した帝国軍に対して、天頂方向から第5艦隊、天底方向から第8艦隊、銀河基準面から見て右舷側から第10艦、左舷側から第12艦隊の猛攻が始まった。
未だ混乱する、帝国艦隊は次々に同盟艦隊の砲火の餌食と成っていく、それに耐えかねた帝国艦隊が小惑星帯へ逃げ込むと小惑星に仕掛けられていたゼッフル粒子発生装置から大量に散布されたゼッフル粒子に引火し、次々に爆発に包まれていく。
ここぞとばかりに、帝国艦隊に猛攻を加える、同盟軍各艦隊。帝国軍はまるで七面鳥のように次々に撃破されていく。
此が後に同盟軍正式戦史にも記された【ヴァンフリートの七面鳥撃ち】である。
帝国暦485年 4月1日 2時00分
■銀河帝国軍遠征艦隊旗艦ヴィルヘルミナ
4時間余りの戦闘で帝国軍は、既に総数6万6000隻の内4万隻ほどを喪失して既にロイター中将、ヴァイトリング中将、クルツバッハ中将が戦死、ネーリング中将が重傷で健在な司令部はミュッケンベルガー元帥とシュトラウス中将だけであった。
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