第57話 ヴァンフリート星域会戦 中編
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第57話 ヴァンフリート星域会戦 中編
帝国暦485年 3月31日
■自由惑星同盟ヴァンフリート星域 ラインハルト・フォン・ミューゼル
グリンメルスハウゼン艦隊が敵の悪辣な罠にかかり壊滅した中、俺が指揮する分艦隊は辛うじて脱出に成功し今本隊に合流すべく航行中だ。これもプフェンダーが俺の艦隊を一番着水しにくい浅瀬に追い立ててくれたお陰だ、今となっては奴の悪意に救われた訳だな。
単に敵と長距離砲撃だけし続けるというだらけた戦闘の末、繞回進撃を両軍とも試み始めたが、単に作戦計画に基づいて鬼ごっこを続けて居るだけだった。俺がやれば成功するものを、ミュッケンベルガーではまともに出来んからな。繞回進撃などやるべき星域では無いのにかかわらず、机上のプランに基づいているだけだ。両軍の首脳部は馬鹿揃いだ。
結局、繞回進撃を行いつつも、傍受した敵信で敵の新兵器があるヴァンフリート4=2へ俺を含むグリンメルスハウゼン艦隊は飛ばされたのだからな、そのような兵器があろうと、敵軍を星系から追放してからゆっくり基地を破壊または降伏させれば良いモノを、それすらせずに只単に衛星に着水するとは馬鹿かと思ったが、その通りだった。
敵の基地を攻撃しようにも地下基地であるから、地上攻撃を行うとの命令であったが、地上攻撃にはヴァルデック少将が率いる10万越えの兵力で攻めていったが、まさか北極の氷床に魚雷が仕掛けてあるとは、俺達は完全に敵の罠にはまった訳か、そうなると、連絡の絶えた地上部隊も殺れたと考えるしか有るまい。
俺の分艦隊は浅瀬だったために魚雷の被害は殆ど無かったが、飛び立った途端にミサイルの攻撃まで来たとは、この衛星自体が巧みに張られた罠の一部だったのだ。このままでは、全軍の危機と言えるかもしれない。早く本隊に知らせねば成らないが、連絡が着かないとは。
「キルヒアイス、俺の感が正しければ、このヴァンフリート星系自体が叛乱軍の悪辣な罠としか思えない状態だ、このままでは帝国軍全体が大敗北の可能性があるぞ」
「ラインハルト様、私も同じ考えです、早急に総司令部に連絡を付けませんと」
宇宙暦794年 3月31日 18時30分
■自由惑星同盟ヴァンフリート星域 同盟軍総旗艦アイアース
ラインハルト率いるグリンメルスハウゼン艦隊残存289隻がミュッケンベルガー艦隊と連絡を着けるために悪戦苦闘しながら航行している時間、同盟軍の悪辣な罠が動き出した。
小惑星帯からアンカーを切り6万5千隻程の同盟艦隊が次々に艦隊序列に従い艦列を整え始める。同じ頃流石に繞回進撃がこの星域では単なる机上のプランでしかないと気
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