猫娘と明かされる秘密編
NO.049 救いとその定義
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芦戸の提案から始まったインゲニウムの治療話。
それによって飯田がその日は一日中そわそわしてしまっていたために、出久はすぐにでも取り掛かれるように相澤に相談をしていた。
「なるほど……飯田の兄の治療か。お前なら結構いいところまで行くと思う、が……治癒と言えど個性は個性。使用するには許可がいるのは分かるな?」
「はい……」
出久もそこが気がかりであった。
まだ仮免も取得していないために個性を自由に使えないのである。
これではインゲニウムの治療どころの話ではない。
「まぁ、そう落ち込むな。そう言う時こそ俺達教師を頼れ。ばーさんには俺から話を通しておくから、明日の午前中にでもばーさんの同伴でさっさと行ってこい。緑谷と飯田の分の午前中だけの休みは確保しておくからよ」
「あ、ありがとうございます。相澤先生!」
教師が一緒にいるのであれば限定的に個性を使用できるので、リカバリーガールと一緒に行けば個性も使えるという事であった。
それで出久は教室に戻るなり、飯田に事情を説明すると、
「なるほど……。確かに俺達はまだ学生……個性を自由に使えないという制約があったな。それでもリカバリーガール同伴のもとで緑谷君の個性が使えるという訳だね?」
「うん!」
出久は嬉しそうに猫耳をピコピコと動かしていた。
周りで見ていたクラスのみんなもそれで癒しを感じるとともに、
「それじゃデクちゃん! 午前中の授業の写しはしておくから結果が出たら教えてね!」
「うん、麗日さん」
「飯田−、兄貴治るといいな〜!」
「ああ、上鳴君……もう今すぐにでも病院に行きたいところだ」
「吉報を期待しているわね」
「うんうん!」
そんな感じで出久と飯田の二人は翌日にリカバリーガール同伴のもと、インゲニウム……飯田天晴が入院している病院へと赴いていった。
受付でリカバリーガールが出久の個性の説明をしている間、出久と飯田は多少の会話をしていた。
果たしてその内容とは、
「飯田君……こんな時だけど少しいいかな?」
「ど、どうしたんだい。緑谷君……? 改まって……」
「うん。天晴さんを治すのは僕ももう承知の事なんだけど……まずはしてほしい事があるんだ……」
「してほしい事……? それは?」
「ヒーローってさ、人を助ける仕事だよね?」
「ああ、その通りだ」
「でも、助けると同時に心も救わないといけないと思う……それを言うと僕は一方的にインゲニウムを知っているけど、インゲニウムは僕の事は一切知らない、だから……僕がなにかを言ってもそれじゃ心までは救えない……」
「そんな事は……」
飯田は何かを言おうとしているけど、出久の表情が深刻なために言葉が出てこない。
女子にこんな顔をさせてはい
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