暁 〜小説投稿サイト〜
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SAO:tr8―ビーストテイマー―
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にやきもきしながったけど、私だってヤキモチぐらい妬きますー。
 兄は呆れて断言するようなこと言うから、私も呆れ顔で返してやったさ。
 無意味に突っつき合いしているやり取りを見て、シリカはクスクスと笑っていた。

「お二人さん仲良いですね。なんだか羨ましいです」
「だってさ、キリト君」
「なんでお前は他人事みたいに言うんだよ……」

 兄は再び呆れているものの、クスクスと笑っているシリカちゃんを見て兄の唇の両端が吊り上がっていた。
 ……兄ってロリコンなのかな?
 他愛のない会話のやり取り、そこに気づかない幸福が満ち溢れそうな空気に緊張が走る声が聞こえた。

「あら、シリカじゃない」

 その声をかけられたシリカは反射的に顔を伏せた。
 私はその方へ顔を向けると、真っ赤な髪を派手にカールさせているのが特徴の女性がいた。
 私は人目見ただけで、その人に悪意を感じた。

「……一応聞くけど、シリカちゃんの知り合い?」
「いえ、違います……あの、ロザリアさん何の要ですか?」

 シリカちゃんはロザリアという真っ赤な髪をした女性に視線を逸らしながら訊ねた。

「べっつにー。ただ、森から脱出できたんだって思ったわよ。良かったわね」

 森から脱出できたってことは、通称『迷いの森』と呼ばれる北部に広大な森林地帯のことかな。確か、あそこは一分経つと隣接エリアがランダムに入れ替わる仕組みになっているだけではなく、転移結晶も迷いの森では街に戻れないどころかランダムに森へ飛ばされてしまう厄介なところだよね。
 
「でも、今更帰ってきても遅いわよ。ついさっきアイテムの配分は終わっちゃったわ。残念ね」
「いらないって言ったはずです! あたし、急いでいますので……」

 シリカちゃんは怒り気味にロザリアとの会話を切り上げて去ろうとしていた。私と兄の腕を掴んで歩こうとした時だった。

「そういえばさ、あのトカゲはどうしちゃったの?」

 ロザリアの発言にシリカちゃんは思わず立ち止まってしまう。ふと顔を覗いてみれば、唇を噛みしめていた。
 
「あらあらあら、もしかしてぇ……?」
「死にました……っ。でも! ピナは絶対に生き返らせますよ!」

 シリカちゃんはまるで悔しい思いを握りしめるようにロザリアに向けて発した。
 ……なんとなく状況を察すると、兄がシリカちゃんと一緒にいる理由も結びつけられそうだね。
 シリカちゃんとロザリアとの関係性はともかく一緒にいた。ロザリアの言動からして、いざこざとか合ってパーティーから離脱もしくはペアを解消したってところだろう。その時にトカゲであるピナが死んでしまった。
 アイテムを使ってプレイヤーが蘇生できる方法は数秒の間で使うしかない。
 そういうことを含めると、シリカち
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