オーバーロード 狼牙 2
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《リペア》を使って応急処置を施してやる。
「オレはヴァイトという。偶々村が襲われるのを見て助けに来た。何か分かることはあるか?」
そこまで尋ねた所で言葉が通じているのが不安になった。
「あの、いきなり襲われて何が何だか分からないんです。ただ、お父さんがバハルス帝国だって」
「そうか。賊という感じではなかったのだな」
「たぶん」
「正直だな。兵士を相手にすると国を敵に回すかもしれないからと見捨てられると考えなかったのか」
「……あっ」
「正直は美徳だが、時と場合による。だが、今回はそれでいい。元から助ける気だったのを嘘をつかれては萎える」
ルプスレギナにしたように犬の形で額を軽く突いてから頭を撫でてやる。
「さてと、そろそろセバス達が終わらせているはずだ。村に戻ろう」
話しながらも警戒しているのだが、問題はないようだ。
「お願いです、先に急いで村へ行って下さい!!他にも怪我をした人がいるはずです!!助けてください!!」
「それは構わないが、森が少し騒がしい。ここにおいて置くと不味いかもしれないから、ちょっとだけ我慢してくれよっと」
二人を抱き上げて村へ向かって走る。う〜む、リアルと違ってパワーには補正が入ってるけど、技術にはユグドラシルの時よりも補正はかかってないな。ワーウルフになったことで差が出てるからか?
Lv.100のワーウルフの力と敏捷によって少女を二人抱えようとも2分と経たずに村へと辿り着く。二人を降ろしてセバスに近づく。
「セバス、怪我人は!!」
「はっ、こちらに」
セバスに案内され一箇所に固められている怪我人の下に向かう。誰もが危険な状態だ。四肢が足りない者もいる。実験体になってもらおう。
「集団中傷治癒」
うおっ、本当に腕が生えてきた。結構グロいぞ。それでもすぐに異変に気づいた怪我人達が起き上がり、不思議そうにして家族達と泣きながら抱きしめあっている。それを少し離れた位置でセバスとユリと眺める。
喜ばしいところのはずなんだが、あまり共感出来ないのは種族の違いなんだろうな。いや、違うな。コミュニティの違いだな。ナザリックの誰かが殺されれば怒りもするし、悲しくもなるのは本能的に分かる。
しばらくすると村長と思われる初老の男性が近づいてきた。
「本当になんとお礼を言っていいやら。私はこのカルネ村で村長を務めております」
「気にする必要はない。こちらにも少し思惑があってな。我々はナインズ・オウン・ゴールの者なのだが、聞き覚えは?」
「いえ、初めて聞きます」
「そうか。ユグドラシル、ヘルヘイム、ナザリック、アインズ・ウール・ゴウン、どれかに聞き覚えは?」
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