第3章
月光校庭のエクスカリバー
第27話 どうしちまったんだ、イケメン!
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「ッ! 心配してんだろうが!」
「・・・・・・心配? 誰が誰をだい?」
「はぁ!」
「・・・・・・悪魔は本来、利己的なものだよ?」
「・・・・・・おまえ、何言ってんだよ?」
「・・・・・・ま、球技大会も、今回も僕が悪かったと思っているよ。・・・・・・それじゃ」
そう言って、木場はまた立ち去ろうとする。
「待てよ!」
俺はそれを呼び止める。
「もし、悩みとかあるなら話してくれ! 俺たち、仲間だろ!」
「仲間か。イッセーくん、キミは熱いね」
「なっ!?」
「僕はね、基本的なことを思い出したんだよ」
「・・・・・・基本的なこと?」
「生きる意味・・・・・・つまり、僕がなんのために戦っているかっていうことさ」
「・・・・・・そんなの、部長のためだろ?」
「・・・・・・違うよ。僕は復讐のために生きている」
「・・・・・・復讐?」
「・・・・・・聖剣エクスカリバー──。それを破壊することが僕が生きる意味だ」
そう言って立ち去る木場を俺は追いかけることができなかった。
そのとき、俺は初めてこいつの本当の顔を見た気がした。
―○●○―
「聖剣は悪魔にとって最悪の武器よ。悪魔は触れるだけで身を焦がし、斬られれば即消滅することだってあるわ。そう、聖剣は悪魔を滅ぼすことができるの」
「明日夏から聞いてましたけど、改めて聞くと恐ろしい武器ですね」
あのあと、俺、アーシア、千秋、鶫さん、燕ちゃんは俺の部屋で部長から聖剣について聞いていた。
「でも確か、扱える者が極端に限られているって・・・・・・」
「ええ、そうよ、千秋。それが聖剣の最大の難点なの。だから教会は聖剣の一種であるエクスカリバーを扱える者を人工的に育てようと考えたの。・・・・・・それが聖剣計画」
聖剣計画、か。
「私が教会にいたころはそんなお話なんて聞いたことも・・・・・・」
「でしょうね。もう随分前の話よ。計画は完全に失敗したと聞いてるわ」
・・・・・・なんだ、失敗したのか。それを聞いて安心した。
悪魔として、そんな恐ろしい計画が成功してたかと思うとゾッとするぜ。
「祐斗はその生き残りなのよ」
「え!?」
「木場さんが!?」
部長の言葉に俺とアーシアは声をあげて驚いてしまう。
まさか、木場がアーシアと同じ教会の人間だったなんて!
「あっ!」
「何?」
「ちょっと待ってください!」
俺はあるものを取ってきて、部長に見せる。そう、木場がおかしくなるきっかけになったであろうあの写真だ。
「木場がこの写真を見て聖剣だって」
「「「「えぇッ!?」」」」
俺の言葉を聞いて驚くアーシアたち。たぶん、幼少のころの俺と明日夏の身近に聖剣があったこ
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