暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜
第3章
月光校庭のエクスカリバー
第27話 どうしちまったんだ、イケメン!
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背負い投げてしまう!
 さらに投げ飛ばされたはぐれ悪魔に何かが飛来し、先端が弾けたと思ったら、そこから無数の何かが飛び散って、はぐれ悪魔の体中に突き刺さった!
 飛来物が飛んできたほうを見ると、そこには弓を構えた千秋がいた。さっきのは千秋の矢か。

「ギシャアアアアアアッ!?」

 苦痛に叫ぶはぐれ悪魔の足を小猫ちゃんが掴む!
 
「……吹っ飛べ!」

 そのまま自慢の怪力ではぐれ悪魔を上に投げ飛ばし、はぐれ悪魔は天窓を突き破って廃工場の外へ出た。

バリィィィィッ。

 そこを待ち構えてた朱乃さんの(いかずち)が襲う!
 俺たちはすぐさま廃工場の外へ出ると、部長がもはや虫の息であったはぐれ悪魔に近づいていた。

「主の下を逃げ、己の欲求を満たすために暴れまわる不貞の輩。その罪、万死に値するわ! グレモリー公爵の名において、あなたを吹き飛ばしてあげる!」

 虫の息であったはぐれ悪魔を部長の魔力が包み込み、跡形もなく消し去ってしまった。

「やった!」
「心を完全に失っていました。もはや悪魔とは呼べませんわね」

 俺の隣に降り立った朱乃さんがはぐれ悪魔のことをそう言った。

「ああはなりたくねえな・・・・・・」
「緊急の討伐命令が出るはずですわ」

 ああなると想像しただけでゾッとするぜ・・・・・・。

「小猫ちゃん、傷を」
「・・・・・・すみません」

 アーシアが小猫ちゃんの治療のために駆け寄ってきた。

「ところで明日夏」
「なんだ?」
「さっきは助かったけど、なんで皆ここにいるんだ?」
「ああ、それは──」

 パンッ。

「ッ!?」
「・・・・・・ま、あれが理由だな」

 突然の乾いた音に驚き、そちらへ顔を向けると、木場が部長に頬をひっぱたかれていた。

「少しは目が覚めたかしら? 明日夏たちが駆けつけたから事なきを得たものの、ひとつ間違えば、誰かが危なかったのよ」
「・・・・・・すみませんでした」

 明日夏が言うには、木場のいままでの状態を見て、戦闘中に何かやらかすんじゃないかと危惧して駆けつけたらしい。
 実際その通りで、ヘタすれば木場自身や小猫ちゃんが危なかった。

「球技大会のことといい、いままでのこといい、本当に一体どうしたの?」
「・・・・・・調子が悪かっただけです。今日はこれで失礼します」

 そう言って木場はこの場から立ち去ってしまった。
 俺は木場を追いかける。

「木場!」

  俺は追いつくなり、肩を掴んで歩みを止めさせる。

「どうしたんだよ? おまえ、マジで変だぞ!? 部長にあんな態度なんて!」
「・・・・・・キミには関係ない」

 俺が問うが、木場は作り笑顔で冷たく返してくる。

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