ダン梨・H
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勘弁して欲しい。まさかそんなホームズが雇ってたベイカーストリートチルドレン的な子供たちがいるだなんて誰も思わないじゃないの。
さて、ベルの話に移る前の俺の話を聞いて欲しい。
ダイダロス特務隊が俺に接触してきたのは、俺の二つ名が世間に流布されてファミリア活動が微妙にやりにくくなった頃だった。外見でベルの方が目立つからヘイト稼いでくれると期待していた俺の認識は少々甘すぎ、むしろ二人同時の最速記録ということで俺も余計に目立ってしまっていた。ファミリア入団希望が増えたのは有難い話だが、俺特有の単独行動に制限が入り始めていた。
そんな頃だ、ハンチング帽を被った少年が俺の前に現れたのは。
『ごきげんよう、『運命の車輪』。お困りならば猫の手は如何?』
で、興味があったのでホイホイついてくと、ダイダロス通りのとある一室に辿り着いた。居たメンバーは老若男女様々な人々。そこで俺は彼らの代表を名乗る女性と出会ったのである。彼らは驚くべきことに、俺のオラリオに入ってからの全経歴、人間関係、果てはなんと俺が『ソーマ・ファミリア』の権力闘争の裏で糸を引いていたことまで調べ抜いていた。そのうえで、言ったのだ。
『どうかな、バミューダ氏。我らの情報網、使ってみないかい?貴方がこれから出世すればするほど個人での調査は難しくなっていく以上、替わる手足が必要だろう?我々は君を高く買っている』
『ん〜、その辺が分かんないよねぇ。悪用するにこれ以上ない便利情報網をさ、俺みたいな得体の知れない新人冒険者に態々売り込むの?金儲けするにしても裏で絵図を書くにしても、も少し戦力があるファミリアか、或いは大口のファミリアだって君らを欲しがってるだろ?』
『ふふ、予想通りの返答だけれど、同時に尤もな疑問だ。いいな、情報量での差に物怖じしない態度といい、実に『我々』向きだ。冒険者を辞めて尚好奇心の虫が元気なら、ぜひメンバーとしてスカウトしたいな』
『そりゃ魅力的な転職先だ。しかしまぁ、今は互いに今の話もしましょーや。俺も多大なる興味はあるんだ。当然、その気にさせる説得材料だって持ってるんだろ?』
曰く、彼らは自分たちが情報を提供するに相応しい『条件』をそろえた人物を顧客とするが、その行動指針は「情報」というもの行き着く先を追及し続ける者だという。その過程でいずれは「情報」を発進する新世代のメディアとなりたいそうだ。その情報媒体には貴賤がないため、特定の大型ファミリアに加担することで情報の平等性が失われるとかなんとか。要約すると、手伝ってやるから未来のスポンサーになれやという事だった。同時に、断れば『断りたくなくなるようにする』であろうことを臭わせていた。
で、悪い話ではないので乗ったのだ。
ちなみにそこまで詳しい話
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