第41話
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カーに乗っているシャロンはリィンをからかっていた。
「はは……この程度ならいくらでも。それよりも―――いいですよ、話してもらっても。」
「え………」
「”二人きりで乗りたい”………何か、話があるんでしょう?あの子達に聞かれたくない……いや、”アリサに”聞かれたくない話が。」
「!!ふふっ、本当に……頼もしくなられましたね。ええ――――リィン様の仰る通りです。リィン様に聞いて欲しいことがあってここまで付き合わせて頂きました。」
リィンが自分の真意を悟っていた事に驚いたシャロンはリィンに感心した。
「もしかして……”結社”のことについて?」
「ええ、それもありますが……聞いて欲しいのは、ある娘の過去。”死線”という忌名を与えられたちっぽけな小娘の半生です。」
「あ………」
そしてシャロンはかつての自分について話し始めた。
「―――その娘は”虚ろ”でした。暗黒時代より続いてきた闇の暗殺組織”月光木馬園”。13歳にしてその第二の使い手だったそうです。
―――少女に与えられたのは受け継がれた”死線”という忌名と”クルーガー”という”号”だけ。感情も持たぬ暗殺人形として任務を遂行するだけの日々でしたが……ある時、組織存亡の危機が訪れます。
”身喰らう蛇”――――当時、まだ新興勢力に過ぎなかったかの結社と水面下で全面衝突したのです。ですが劫炎に剣帝、鋼の聖女まで――――圧倒的な強者たちを前に総崩れとなり、”木馬園”は消滅してしまいました。
後に第四柱となる”千の破壊者”とNo.Vとなる”黄金蝶”――――そしてNo.\となる”死線”を結社に吸収される形で。
”執行者”となっても少女の日々は変わりませんでした。使徒たちの要請に従い、遂行する幾つもの任務………断るのは自由でしたが、他の生き方を知らない彼女は受け入れる以外はありません。―――ラインフォルト家との関わりもそんな中で生まれたものでした。
当時、第六柱から受けた任務により、娘はエレボニア北東、ルーレ市へ潜入します。目的は”とある人物”との接触……しかし、そこで事故が発生しました。結果として任務は失敗……娘は瀕死の重傷を負ってしまい、別の方の命も喪われてしまったのです。
―――その人物こそ、イリーナ会長のご主人にしてアリサお嬢様のお父様にあたる方……フランツ・ラインフォルト様でした。」
「…………………」
シャロンのラインフォルト家入りの経緯を知ったリィンはシャロンにかける言葉がなく黙り込み
「ふふ………―――イリーナ様は、元凶の娘を助け、名前まで与えてくださいました。わたくし、それまで”名前”を持っ
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