暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
2065話
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 月……月か。
 今の状況から考えて、あの月がニュクスだというのは間違いないだろう。
 ただ、問題なのはニュクスが現実世界の月でもあるのかという話だが。
 最悪、ニュクスを倒したことによって、このペルソナ世界の地球からは月が消えてなくなる可能性もあるが……それでも、人類滅亡よりはマシな筈。
 ニーズヘッグのコックピットの中でそんな風に考えつつ、ツイン・ドライブで機体を浮き上がらせる。
 本来なら、影時間の中で機械の類は動かない。
 だが……俺の宝具と化したニーズヘッグは、そんな影時間の中でも全く問題なく動く事が出来ている。
 そして、ニーズヘッグの計算によれば……あのニュクスは、間違いなく現在地球に向けて落下してきているのだ。
 となると、やっぱり倒すのは今のうちだな。
 今ならまだニュクスは宇宙空間にいるので、こっちとしても地上の事を心配せずに戦う事が出来る。

「システムXN、起動。転移座標入力……OK、転移フィールド生成開始」

 システムXNを使用し、ニーズヘッグが光の繭とでも呼ぶべき転移フィールドに覆われていく。
 タルタロスの屋上にいる中でも、転移フィールドを初めて見る者達は驚いては……いないな。僅かずつだが、確実に地球に向かって落ちてきているニュクスの方に意識を奪われている。
 まぁ、大きさが違うからな。
 そんな風に考え……

「転移フィールド生成完了。転移」

 次の瞬間、ニーズヘッグの姿は既に地球上ではなく、宇宙に存在していた。
 そして、目の前には巨大な月……ニュクスの姿。
 そんなニュクスの姿に、微かに違和感を覚える。
 何だ、これは?
 一瞬そう思ったが、すぐにその違和感の正体に思い当たった。
 タルタロスの屋上からニュクスを見ていた時、ニュクスの目は下を……地球、そしてタルタロスを向いていた。
 そして、現在俺がいるのはニュクスの真横とも呼ぶべき場所。
 だというのに、ニュクスの目は現在ニーズヘッグの正面にあるのだ。
 これで違和感を抱くなという方が無理で……

「ちぃっ!」

 念動力は、ニュクスに対して強烈な警鐘を鳴らしている。
 ここまで強烈な危機感というのは、滅多にないくらいに。
 T-LINKシステムによる操縦で、ツイン・ドライブとヒュドラに内蔵されているテスラ・ドライブの全てを使って、その場から急速に移動するも……その行動は、若干遅かった。
 ニュクスから放たれたプレッシャー……魔力による波動か? ともあれ、そんな広範囲攻撃とでも呼ぶべきものが、ニーズヘッグに向かって放たれたのだ。
 だが、幸い……というのもどうかと思うが、ニーズヘッグはちょっと信じられない程の様々なバリアの類を搭載している。
 広範囲攻撃だったが故に、威力そのものはそこまで強く
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