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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第四十六話 命の理由 1
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めるように、シャッハがまた一歩前に出た。
「あぅ……あぁ……」
ポトリ
少女は手にしていたヌイグルミを落として、その場に尻餅をついてしまう。
目に涙を溜め、怯えた表情でシャッハを見上げる。
「え……?」
その普通の反応に戸惑うシャッハ。
「何やってんですか!シスター!」
ハッと我に返ったアスカが、少女とシャッハの間に割って入る。
「な……アスカ、そこをどきなさい!」
目の前に立ち塞がったアスカにシャッハは叫ぶ。
だがアスカは引かない。
「落ち着いてください、シスターシャッハ。あんなに怯えているじゃないですか。ガチの戦闘態勢で何をしようっていうんですか!」
そう言ってアスカはシャッハの両手を押さえる。
「は、離しなさい!何をしているのか分かっているのですか、アスカ!」
振り払おうとするシャッハだが、アスカも必死に食らいつく。
「あんな幼い子相手に力ずくもないでしょう!お願いします、シスター。引いてください!」
「どんな危険があるか分からないんですよ!?」
「だからってイキナリ殴り合いはダメですって!」
実力で言えばシャッハの方が数段上だが、アスカも負けてられない。
などともみ合っているアスカとシャッハを、なのはが収める。
「シスターシャッハ。ちょっとよろしいでしょうか?」
静かに、はっきりとなのはが言う。
「え……はい」
その穏やかな表情に当てられるように、シャッハが落ち着きを取り戻す。
それを見て、アスカはシャッハを押さえるのをやめた。
二人が静かになるのを確認して、なのはは少女に向き直る。
「ごめんね。ビックリしたよね?」
なのはは地面に落ちたヌイグルミを拾い上げ、埃を払う。
「大丈夫?」
まだ尻餅をついている少女に、ヌイグルミを手渡す。
「あ……」
少女はオズオズと手を伸ばし、ヌイグルミを受け取る。そして、マジマジとなのはを見る。
「立てる?」
なのはが少女に手を差し伸べる。少女はなのはの手を取り、立ち上がった。
なのはは少女についた埃を払い落としてあげる。
『緊急の危険は無さそうです。ありがとうございました、シスターシャッハ』
『は、はい……』
そう言われては、シャッハは引くしかなかった。
「初めまして、高町なのはって言います。お名前、言える?」
なのはは少女と同じ目線まで腰を落として、優しく言う。
「……ヴィヴィオ」
少女、ヴィヴィオはなのはの目を見つめて答えた。
「ヴィヴィオ、いいね。可愛い名前だ」
ニコリとなのはが笑う。
まだ涙目のヴィヴィオだったが、身体から硬さが抜けていた。
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