第16話 楽しみ
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それでもいい。それは、満足したってことになるだろう。
オレは自分のために動く。エゴを貫く。
死にたくないし、皆を死なせたくもない。
一緒に居たい、まだ皆と馬鹿騒ぎをしたい。
何よりも、楽しみがあるんだ。 あっちから帰ってくる時の楽しみが。
「そう、楽しみがまだあるんだよ。 皆が帰ってきた時にどれぐらい強くなったとか、皆は一体どんな冒険をしたのか。 何が楽しく、何が悲しかったのか。 それに、ミラとはまた映画を見るのも楽しみでもあるんだ」
そう、まだ楽しみがいっぱいある。
それはウォーロッドさんからの依頼。いや、楽しみにしちゃ悪いのだが。
ギルダーツはは100年クエストをやり遂げたのか。
エルザたちはどれ程強くなったのか。
誇り高き猿の尻尾と妖精の尻尾はこれからのどんな活躍をするのか。
オレは、まだ死ぬつもりもない。
まだ、冒険は終わってないのだから。
「…そ…う…」
ミラから息を呑み込む。そして、手を胸へと持って握りしめ――花が咲くような、そして紫色のはずの空が、輝いているように見えた。
「なら、待つわ。 私は、皆は貴方の、レッドの帰りを待っている。
だから、必ず私達の、私のところへに帰ってきて」
「――おうとも、オレは、レッド・パッペは絶対に帰ってくる。だから心配しないで待っててくれ!
絶対に、帰ってくる。そして、全てが終わった時に驚くような話をするからさ」
――楽しみにしてくれ。
リサーナも連れて帰る。絶対に――
オレは、見たいんだ。妖精の尻尾での光景を。
馬鹿騒ぎをしている皆と、それに混じっているリサーナとエルフマンにミラ。
そして――弟子のジェラールが素顔を出していて、皆と笑っている光景を。
ああ、本当に――楽しみだ―――。
「先生…女の匂いがしたのですが…少しお話をしても…?」
「え、ちょおまなにすr…ぎゃああああああああ!!!!」
ミラを自宅に送った後オレも帰宅した…はずだが…何故かその後の記憶がない。
本当に、どうなってんだろう…(ブルブル)
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