MR編
百五十五話 アイリのドキドキ恋バナタイム
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ったように、けれどどこか照れたように笑いながら、アイリは返す。
「……確かめたかったから、かな、後は……後悔したくなかったんだよ、きっと」
「フラれるのって、そっちの方が後悔するんじゃ……」
「そうだね、フラれるのはショックだけど……告白しないほうが、きっといつか、もっと後悔すると思ったんだ、少なくとも、今私は告白した事自体は後悔してないよ?」
「…………」
「伝えたかったことを、伝えて後悔するより、伝えないで後悔する方が辛い……って、思わない?」
「……うん、其れは、ボクも少し分かるよ」
アイリには知る由もないことだが、ユウキにとってその言葉は多大な実感と共に彼女の胸を撃った。どんなに十分に言葉を交わしたつもりでも、言いたいことを言っていたつもりでも、いざ別れてみるともっと伝えたかった事、話しておけばよかったとおもえる事が次々に溢れてくる。勿論、アイリの言っていることは其処まで深刻なことではないと、其れはわかっている。……いや、あるいは其れよりもずっと深刻な事なのかもしれないけれど、
「正直、わたしも勢いで言っちゃった所あるから、その辺りは反省もしてるよ?次に誰かを好きになる事があったら、もっとこう、慎重に、退路とか断つ感じで行くと思います」
「退……?うん、よくわからないけど……」
「あはは……でもあの時の私に大事だったのは多分……告白が実るかどうかとか、そういうの以上に自分がリョウをどう思ってて、リョウが私をどう思ってるかを確かめる事で、あ、私本当に好きだったんだなぁとか、そういうのは後から追い付いてきた感じだったから……って、自分で言っててほんとに行き当たりばったりだなぁ、私!」
ここまでをあっけらかんに話しておいて、今さらながらに恥ずかしさがこみ上げてきたのか、アイリの頬が赤く染まる。何でもないことのように言っているけれど、その瞳に少しだけ悲しい色が混じっているのがユウキには分かってしまう。
「でも、それじゃあ……やっぱり辛かったんじゃ……」
「……まぁ、後から少し泣いたけどね!でも、それが私の初恋で、後悔無し!けど、それでもちょっと悔しいのは変わらないから、偶にリョウの事からかうのにこの話使うんだ〜、珍しくリョウがオロオロするから可愛いんだよ」
「…………」
へへへ、と悪い笑みを浮かべる彼女をみてなぜだろう、よくはわからない、わからないけれど、「凄い」と思った
自分のまだ知らない感情。まだ感じたことがないその想いにその身と心を焦がして、燃え尽きて、それでも「後悔はない」と断言できるその背中に憧憬に近い感情が胸の内から湧き上がる。まるでかつて姉の背中に抱いたような感情と共に、あんな風にあれたら、ユウキはそう強く思った。
「ボクにも、できるのかな、そんな……」
そんなキラキラした経験が、そう胸の内で
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