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SAO─戦士達の物語
MR編
百五十五話 アイリのドキドキ恋バナタイム
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「こ、恋……!?恋、かぁ……」
ユウキの顔がポッと朱くなる。彼女にとっては、どうやらあまり耐性の無い話題のようだ。

「お、ユウキ、恋したこと無いの?ユウキのギルドにも、男の子はいるんでしょ?」
「な、ないよぅ!ジュンは子供っぽいし、タルは女の子苦手だし、テッチはそんな事考えてないと思うし……」
普段見せる好戦的な表情がきれいになりをひそめ、視線を右へ左へと彷徨わせながら困ったような顔で顔を赤らめるのを、和やかな気持ちで見ながら、更に小首をかしげて問いを続ける。

「へ〜……じゃあ最近会った子達はどう?キリトとか、女の子に凄く好かれるみたいだよ?」
「キリトはアスナの大事な人だし……リョウさんとか、レコンも……ボクはうーんかなぁ……それに、分からないよボク、恋ってどういうことなのか……あ、ねぇ、アイリはあるの?恋、したこと」
反撃のつもりなのか、あるいは単に興味本位なのか、ユウキの目がキラリと輝く。コロコロと変わる表情が子気味良い。

「ふふ、一応ね〜」
どこか懐かしむように、あるいはその記憶を慈しむようにして目を細めたアイリの顔を、ユウキは興味深げに覗き込んだ。

「アイリが好きになった人って……」
「ん?リョウだよ?」
「……うあ……ちょっと、そうかなって、思ってたけど……」
「あは、私、分かり易いかな?」
コロコロと笑って問い返したアイリに、ユウキはブンブンと首を振って否定する。

「そ、そうじゃないけど!……さっきリョウの話してた時、ちょっとだけ、普段と違う感じがしたから……」
「成程ね〜……うん、確かに、リョウは今もちょっと私の中では特別だし……そう言う感じあるかもね」
「その……ボク、こういう話ギルドでもあんまりした事無いから聞いて良いのか分からないんだけど……告白とか、したの?」
「うん、して、フラれちゃった」
務めて明るくおどけた表情で、アイリは言った。ともあれ、やはりと言うべきか、ユウキには少しショックを与えてしまったようで……彼女は少し目を見開いて、戸惑ったように視線を彷徨わせる。

「え、ご、ごめんボク……!」
「気にしない気にしない!私が一番無理だって分かってて、それでも言ったんだもん」
「駄目って分かってても、告白したの?」
「うん」
「どうして……?」
戸惑いは、困惑へと色を変えていた。ユウキも、告白を断られることが辛いことであるのは理解しているのだ。好意を持っていた人間にその好意を打ち明けて、けれどそれが受け入れてもらえなかったら、きっとそれは、とても……とても、辛いことなのだと、ユウキも思う。けれど、それが分かるからこそ、分からなかった。ぶつかってみなければ分からないから、実る可能性があるからこそ、想いは告げるものなのだと思っていたから。
そんな彼女の様子に少し困
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