118部分:第九話 遠のく二人その十二
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い。
「それじゃあそれを」
「はい、どんどんね」
そのチョコレートクッキーを食べさせて姉の矛先を収めさせたのだった。それで話はこの場では無事収まった。そして次の日の学校で。
星華は廊下で陽太郎と擦れ違った。その時だ。
「おはよう」
「あっ、佐藤かよ」
「うん、久し振りね」
「だよな。クラスが別々だとあまり会わなくなるんだな」
「そうみたいね」
星華は応えながら寂しげな顔になる。そのうえでの言葉だった。
「何かね。思ったよりね」
「そうだね。それじゃあまたな」
「またって?」
「ちょっと用事があるからさ。またな」
「えっ、用事って」
それを言われてだった。困った顔になる星華だった。だが自覚はない。
「用事あるの」
「クラスの用事でさ。うちのクラス委員人使いが荒くてさ」
「それでなの」
「ああ、だからまたな」
こう言って別れてだ。星華は一人に戻った。
陽太郎は向こうに行っていき後に残ったのは彼女だけだった。彼女はその背中を見ていたが角を曲がって見えなくなるとそのまま自分のクラスに入った。二人の久し振りの話はこれで終わりだった。
第九話 完
2010・5・3
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