第十幕その十
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「食べているから」
「そうだね、ロシア料理もあるしね」
「ブラジル料理もね。けれどこうして」
「五国のお料理を一度に食べることは」
「ちょっとないから」
「いい経験だね」
「本当にね」
トロットはお箸を器用に使ってそうしてお蕎麦をおつゆの中に入れてお口の中で楽しみます。そうしつつ言うのでした。
「今回は」
「そうも思ってなのよ」
皆と一緒に五国のお料理を楽しんでいるトロットが言ってきました。
「こうしてね」
「出してくれたのね」
「五国のお料理をね」
「そうなのね」
「デザートもだよ」
そちらもというのです、バド王がお話します。
「五国のものを用意したよ」
「林檎に柿にライチに」
「オレンジにすぐりとね」
「まさに僕達のお国の果物ですね」
「全部用意したからね」
それぞれの国で人気のあるよく食べられる果物をというのです。
「楽しんでね」
「そうさせてもらいます」
大好物のオレンジを見つつです、カルロスはバド王に答えました。
「最後に」
「そうしてね、僕としてはね」
「バド王はですか」
「どの果物も好きだけれど」
その中でもというのです。
「最近はすぐりが好きかな」
「そちらの果物がですか」
「好きかな」
こう言うのでした。
「ここにあるどの果物も好きだけれどね」
「それでもですね」
「一番好きなものはね」
「すぐりですか」
「今はそうだよ」
「すぐりもいいわよね」
トロットはすぐりと聞いてにこりと笑って言いました。
「今お話に出たどの果物も好きだけれど」
「その中でもですね」
「そう、すぐりをパイにしたりケーキにしたりしたら」
「特にですか」
「好きよ、そのまま食べても好きだけれど」
お菓子にしてもというのです。
「それが好きよ」
「あっ、それならね」
フラフ王女はトロットのお話を聞いて笑顔で言いました。
「すぐりのパイかケーキもね」
「作ってくれるの?」
「シェフにお願いしてね」
そうしてというのです。
「出すけれど」
「それじゃあ」
「そう、そしてね」
そのうえでというのです。
「皆に食べてもらうわ」
「それは嬉しいわ、本当にね」
「最近のトロット王女のお気に入りね」
「そうなの、すぐりが好きで」
そしてというのです。
「そのパイとかケーキがね」
「特にお気に入りね」
「それじゃあね」
「ええ、果物の後でね」
それを食べた後でというのです。
「皆で食べましょう」
「それじゃあね」
笑顔で応えたトロットでした、そして実際にです。
お料理の後にデザートの果物達を食べてそのすぐりのパイを見てです、フラフ王女ににこにことして言いました。
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