EX回:第59話(改1.5)<未来の贈り物>
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良く分からんが専門的な目で見ると建造開始した時点で、ある程度分かるらしい」
私は頷いて心で思った。
(未来の情報だから、やっぱりというか当然だけど)
彼はメモを見ながら続ける。
「そこで今回は戦艦が2、正規空母が1、あとは軽巡に重巡だ。問題なければ明日の朝の演習は建造された彼女たちが相手になる」
それを聞いて私はちょっと引いた。
「戦艦に正規空母って? ……急にすごいのが出始めたな」
だがブルネイ提督は平然としていた。
「なんだ? 錬度は美保のほうが高い。そっちだって金剛に比叡は戦艦だ。正規空母の赤城だっている。もともと基礎データ収集のための演習だ。互角ぐらいがちょうど良いだろう」
「それは、そうだけど……確実な艦種はまだ分からないか?」
「小さいのは確か、もう建造が終わっていたが……天龍だったかな?」
「よりによって天龍か」
しかも今度は未来のブルネイから仕込んだ『完全レシピ』だから手ごわそうだな。
(ウチの龍田さんにも、あとで言っておくか)
ブルネイ提督は時計を見た。
「そろそろ戻っても良いだろう」
「ああ。そうだな」
私はポケットにインカムが入っているのを思い出した。それを装着すると艦娘たちに、そろそろ引き上げるように指示を出した。
『了解デス』
金剛の返事が返ってきた。
それを見たブルネイ提督がちょっと驚く。
「それ、すごいな小さくて。本土は,そんなに技術が進んでいるのか?」
「あ、まぁ……」
そういえば、これは元々は未来のブルネイからの備品だ。でも説明しにくい。
苦し紛れに私は言い放った。
「明日の演習が終わったら、やるよ」
「良いのか? お前の私物か」
後ろめたいが、あくまでも『返す』とは言わない。
「あ……まぁ、そんなところだ。役立ててくれ」
ややこしくなるから、そういうことにしておく。時代が違うとはいえ返してしまえば私も少しは気が晴れる。
「そっか。それは技師が喜ぶな。お前、昔から小物が好きだったよな」
「いや、別に」
本当は嫌いではない。だが最初は此れだって逆さまに付けてた。
徐々に艦娘たちが戻ってくる。私は改めて確認した。
「そういえばどうやって鎮守府に戻る?」
ブルネイ提督は言う。
「お前は、歩いてきたのか?」
「いや、送って貰った」
彼は言う。
「迎えのトラックが来てくれるから皆、乗れるだろう」
「トラック?」
軍用車か。
海岸の方から金剛姉妹に龍田さんペア……向こうから日向と伊勢も来る。
「ありがとうございました!」
量産型の伊勢が頭を下げている。
「司令、どうも」
青葉さんもカメラバックを抱え上げた。
「人数点呼……問題ないか」
日向が報告をする。
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