第56話 ヴァンフリート4=2
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ンフリート4=2を使うとは言っていません」
「おいおい、ロボス中佐、トンチのような受け答えじゃないか?」
「ワイドボーン中佐が帝国軍の指揮官だとして、ヴァンフリート4=2南半球に基地らしい地下施設が存在するとして、しかもそれが衛星軌道上からの攻撃でも破壊不可能だとしたらどうなさいますか?」
リーファが基地の位置を地図に示して質問する。
「そうだな、小官なら基地を無視して、艦隊戦で敵艦隊を星系から追いだした後で降伏勧告するが」
「質問が悪かったようですね、ワイドボーン中佐とかの一部しかそんな方法取らないですからね。ごく一般的な帝国軍の貴族指揮官だとしたらですよ」
「そうだな、ごく一般的に言えば、北極の極氷を持続性核融合弾で溶かして其処に着水させ、其処から地上部隊で攻撃かな」
「中佐、当たりですよ」
ワイドボーンとリーファの掛け合いにシトレもハッとし気がつく。
「つまり中佐は、ヴァンフリート4=2を囮にすると言う事か」
「そうです。囮も囮、帝国軍ホイホイですね、基地は吸引材と言う訳です」
そう言いながら、リーファが新たな資料をスクリーンに映す。
それには基地の規模や配置する車両や塹壕等の位置が示されている。
「なるほど、しかし、帝国軍が来なかった場合はどうするのかね?」
「その時はその時ですが、あからさまに自宅《イゼルローン》の目の前に軍事施設を作られたら潰しにかかるのが軍人と言うモノですから。引っかかるはずです」
「予算はどうするね?」
「その点は大丈夫です、基地と言っても、岩山に出入口を少し掘って基地があるように見せるだけですし、地上施設はそれこそ映画のセット状態で良い訳ですから、それに基地付近に隠匿してあるように見せる戦闘車両も廃棄車両や解体予定の車体を使えば、要るのは輸送費だけですし、地上部隊にしてみれば解体費用が浮きますから一石二鳥です」
「しかし、敵をおびき寄せて後はどうするのかね?」
「まあ、此は敵を完膚無きまでに叩き潰すので、基地の地下に核、或いはゼッフル粒子を仕掛けて攻略部隊ごと吹き飛ばします」
その言葉に皆が驚愕の表情を浮かべる。
「地上で核を使うなど無茶苦茶じゃないのか?」
「戦いは非情ですよ、敵兵の命まで考えて戦うほど同盟に余裕はありませんから。見逃した敵が次には我々の同胞を殺すのですから、完膚無きまでに叩き潰すのがセオリーです。それに有人惑星ではなく、居住不可能な星系の衛星での核爆発ですし、核地雷として使うのですから、タブーには成りませんよ」
リーファの言葉に皆が絶句する中、シトレが話し出す。
「確かに、我々は妙な軍事ロマンチズムに罹っていたようだな。中佐その他にもあるのだろう」
「はい、北極氷床についても、ボーリング或いは一度溶かしてその湖
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