第56話 ヴァンフリート4=2
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ろうな」
「と言う事です」
「なるほどな、ヴァンフリート4=2基地は帝国軍に餌を与えるような物だと言う訳か」
「本部長。そうです、態々敵に知られかねない位置に基地を作るのは壊して下さいと言うようなモノです。それにあの星は酸素が殆ど無いですし気圧も低いので、基地設営に多大な予算がかかりますからね」
「すると何処に基地を作れば良いと思うのかね?」
「一番良いのは、エルゴン星系かシャンプール星系の基地を強化し補給敞や造修敞を増設した方が帝国軍の攻撃に晒されないですし、彼処は有人惑星ですから、地上基地設営はそれこそプレハブ建築でも良いぐらいですから、同一予算でもより上の設備が構築できます」
「イゼルローン要塞から些か離れているのが難点ではないかね?」
「仰る事は尤もですが、要塞の目と鼻の先に置いて年中攻撃を受けるよりは遙かに良いかと」
「確かにそうだが、補給線の長さを問題視する者も出るやもしれんな」
「それですが、二十世紀のアメリカ海軍がマーシャル諸島マジェロ島に後方基地を作り後方支援艦隊で洋上補給した様に後方支援艦隊を増設して後方星域で補給を行えばいいでしょう」
「うむ。コスト的にはどうなるのかね、説得力のある資料があれば上を説得できるが」
「コスト的には、第一に完全気密システムや炭酸ガス浄化システム等の大気システムが最低限度で良い事。第二に即在の施設の流用が出来ること。第三に雇用問題、無人星系に基地を作っても、働くのは軍人軍属だけです、しかも衣食住を全て軍で賄わなければならない、その点有人惑星上の基地であれば、民間人の雇用も可能ですし、自宅からの通勤も可能であります」
「うむ。この資料を見る限り、同一予算であれば、かなりの基地が出来上がる訳か」
リーファの提出した資料を見ながらシトレは唸る。
「更に、余り言いたくはありませんが、利権屋共や選挙票を気にする方々にもアピールできる点が大きいのです。エルゴン星系やシャンプール星系選挙区の代議員は地元産業の活性化で相当票を取れると皮算用するはずですからね」
「つまりは、政治屋共も利用しろと言う訳か」
「そうなります。彼等だって、我々を四六時中利用しようとしているのですから、こんな時ぐらいは、精々我々の役に立って貰いましょう」
リーファは、凄まじく悪人の笑みを浮かべる。
その話を聞くシトレも悪人面である。
ワイドボーン達は呆れ顔でその二人を見ている。
此が統合作戦本部の一日である。
「では、ヴァンフリート4=2は放棄状態で良い訳だな」
「いえ、其処も使います」
「中佐、それは矛盾していないか?」
「矛盾していません」
そのトンチンカンな答えに、シトレ達の顔に困惑が見える。
「矛盾してないとは?」
「小官は別に基地としてヴァ
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