第17話 源氏の生誕祭
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のは何よりなんですが、私だけお預け状態とは、どんな拷問なんでしょう?)
そこで我に還るジャンヌ。
(わ、私は裁定者にしてサーヴァント。我々サーヴァントには食事などしなくても大丈夫なのです。・・・・・・・・・大丈夫なんですが・・・やっぱり美味しそうですね)
涎こそ出ていないが、本当にもの欲しそうな目で見ているジャンヌ。
その霊体化したままのジャンヌは、セイバーが出入り口の廊下側から自分を手招きしている事に気付く。
まさか不測の事態発生かと瞬時に自らを律してルーラーとしての顔に戻ったジャンヌだが、セイバーの下へ駆け寄り彼の案内に身を任せると、生誕祭会場と隣接してある小さな部屋にまで連れて来られた。
「一体どのような御用でしょうか?」
霊体化を解くと同時に真剣な目つきでセイバーに問う。
「その冷蔵庫を開けてみよ」
「?なんでしょうか?」
言われるがままに開けてみれば、そこには生徒達に切り分けられて配られた全種類のケーキが載ったサラが入っていた。
「ッ!?こ、これは如何いう!」
「それはお主の分だ。本来であればお主のマスター達が食べる前の毒見用として集めたものだが、時すでに遅れて生徒や教員全員食べてしまって不要なモノとなったが、如何する?」
「ど、如何するとは?」
「いや、最早本来の役目をする必要もないし、余と違いルーラーたるお主に食糧は無用なモノ。要らぬと言うのなら会場に戻して誰かに分け与えるが?」
「そ、それは・・・・・・あ、あぅ」
「・・・・・・・・・」
口ごもり露骨にしょげるジャンヌを見たシーマ。
「矢張りシロウの観察眼は正しかった様だな」
「な、何がでしょう?」
「お主、実は意外と健啖家で食べ物に目が無い口では無いか?」
「なっ!?何を根拠に!」
侮辱されたと思い、赤面顔のまま怒鳴るジャンヌ。
だがシーマはあくまでも冷静に対応する。
「シロウの経験則からの判断だろうが、確かに根拠にはならぬ。だがしからば、本当に良いのだなケーキを戻して」
自分達の勘違いなら謝罪もする蛾とも付け加えて告げて来るシーマに、ジャンヌは即答できずに視線を左右に交互させて迷う。
此処で軍門に下ればケーキにありつけるだろうが、色々な尊厳を失うのは明白。
如何すればいいかと逡巡するが、シーマは待ってくれない。
「よし、では戻すが良いな?」
「待ッ!?」
「ん?」
そして結局ジャンヌは自ら堕ちる事を選択する。
「――――食べたいので戻さないで下さい」
「そこまで言うならばな」
ではとセイバーに差し出されたケーキに感涙しながら頬張って味わっていくジャンヌ。
「・・・・・・美味しい、美
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