第17話 源氏の生誕祭
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グロの解体ショーでも見た影響からか、頭から切り落としに行く。
切りやすいくらいにまで解凍されているので、1人でも四分一を切り分けて行く。
そうして周囲の皆にも見える様に切り分けたのを置くと、中身も赤身や骨の部分などよく再現されているが、赤身の部分からは芳醇なイチゴの香りを漂わせていた。
「すっげ!」
「見た目マグロの赤身なのに匂いがイチゴって!」
「これ説明なしで食う場合、直前までマグロだって信じるぜ。絶対に・・・!」
あまりの再現度に旨そうな匂いにこれ以上の御預けは体に良くないと、義経達は勿論の事、生徒や教員にも次々と切り分けられたのが配られて行く。
「美味しい!」
「口に入れた瞬間イチゴの濃厚な甘みが口いっぱいに広がるのに、後味が引きずらなくて私これ好き!」
「樹を切り分けたガトーショコラの方も良いですわよ?とても大人数用に作られたとは思えないほどの上品さですわ!」
皆が絶賛しながら士郎特製のアイスケーキを食べ進める。
そんな中誰よりも早く――――と言う訳にはいかないと、こんな処で無駄に英雄としての器量を発揮して、周囲の人が楽しそうにしているのを確認してから食べる気だった様だ。
「美味しそうだな。弁慶もそう思わないか?」
「ん?まあ、川神水のつまみにはなりそうもないけど、うん。良いんじゃない?」
「そうだろう?では早速――――」
「待て待て義経、それを本当に喰う気か?」
義経を制止する与一。理由は勿論、今もまだ士郎を疑ってるからだ。
「なんだ与一?義経が取った方が食べたかったのか?」
「そうじゃねぇよ!」
「照れる事ないだろう?ほれ、あーん」
「馬っ!?」
与一は躱さうと後ろに下がろうとするが、そこは壁で下がれない。
それ故に、最早抵抗できない距離までケーキが迫っていた。
「あーん」
「ぐむっ・・・・・・!!」
遂に口に入れてしまった与一。ならばやり過ごしてできるだけ早急に吐き出せばいいと考えたのだが、途中で上品かつ暴力的なまでなケーキの美味さを感じて、そのまま咀嚼して味わった。
「な、なんだこの美味さは?」
先程まで警戒心を露わにしていた与一は、まるで洗脳を施されたかの様に今度は自分に切り分けられたケーキに躊躇いなく食べに行った。
それを見届けた義経は満足した。
「今度こそ義経の番だな。はむっ・・・・・・っ!!」
義経も満足そうに笑みを浮かべる。
皆、幸せそうに楽しそうにケーキを食べる中で、霊体化したままのジャンヌは最初こそ微笑ましそうに見ていたが、全員が本当に美味しそうに食べる姿に感化されて我慢と欲望の狭間で揺れている。
(ううぅ・・・、マスターも義経達も嬉しそうな
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