第17話 源氏の生誕祭
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が与一を庇う様に共に床に伏せる。
伏せてから大和が真剣な表情で熱く何かを語っている。
その大和の言葉にさっきまでの面倒くさそうな態度を一変して真剣な表情と言葉で応えている与一。
それをそれなりに距離があるが、シーマは全部聞き取れている。
「――――突然如何して伏せたのかと疑問だったが、成程。これがミヤコの言っていたヤマトの中二病と言う事か」
大和の中二病の件についてはNGワードだと京からそれとなく聞いていたシーマ。
だと言うのに、
「自分からばらすなんて、吹っ切れたか或いは再発したとみるべきか?」
シーマが興味心を僅かに先行させていると、与一と大和は遠くを見るように話してから与一は気持ちよく下に降りて行く姿を見送った。
これにシーマは大和のいる屋上へ飛び渡って賞賛の言葉を向けた。
「あのヨイチを言葉だけで説得するとは流石はモモヨの弟分だな」
−Interlude−
禁じ手を使って、何とか与一を説得する事に成功した大和は、達成感よりも胃がキリキリとしていた。
だがそれもそうだろう。誰にも知られたくない黒歴史を断腸の思いで開帳したのだから。
「ま、まあ、誰も他に居ないし、それだけはホントに救いd」
「あのヨイチを言葉だけで説得するとは流石はモモヨの弟分だな」
後ろから誰かの着地音とともにそんな言葉が大和の耳に飛び込んできた。
「ッッ!!?」
心臓が止まるのかと思えるほど驚き、瞠目する。
――――誰だ?後ろに居るのは一体・・・ダレダ、ダレダ、ダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダ・・・
幼馴染たちは俺の黒歴史をジョークで揶揄って来るが、それだけで終わる。
だがそれ以外の者であれば?それをネタに脅迫される可能性もあるだろう。
だからこそ場合によっては、クチフウジシナケレバ・・・!
壊れた人形の様に体全体をぎこちなくゆっくりと、だが確実に180℃回転させると、そこには感心したようにシーマが立っていた。
――――クチフウジ?くちふうじ?口封じなんて無理だ!だって武神・川神百代と互角以上に戦える奴を如何しろと!?
そんな絶望する大和にシーマが声を掛ける。
「ふむ?如何したのだ?そんなに顔を青ざめて」
「えっ・・・と、その、何時から見てた?」
大和は、血反吐を吐きたい気持ち悪さを我慢しながら恐る恐る聞く。
もしかすればと、微かな希望込めて。
「ああ、お主がヨイチの説得に難航していた所からだな」
「ゴフッ!」
――――ああッ、分かってたよ、チックショウがーーー!!
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