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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
第六十九話 徐庶、徐州に来るのことその三
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の本音だった。
「身辺警護は」
「そのまま怪しいことになるわね」
 黄忠がそんな魏延を見ながら述べた。
「焔耶ちゃんのことを考えたら」
「わ、私は別に」
「焔耶、口を拭け」
 今度は厳顔が言うのだった。
「御主の今の口はじゃ」
「口は?」
「涎が出ておるぞ」
 こう彼女に告げる。
「だらだらと犬みたいに垂れ流しおって」
「な、何と」
 言われてだ。咄嗟にだった。
 彼女はだ。自分の口元を右手の甲でぬぐった。その甲を見ればだ。
 そこには涎はない。それを見て話す彼女だった。
「あの、別に涎は」
「冗談じゃ」
 こう素っ気無く返す厳顔だった。
「しかし。それでもじゃ」
「それでもとは」
「全く。桃香様がそこまで好きか」
「だから私は桃香様の」
 あくまでだ、忠臣だと言うのである。
「それだけであって何もやましいところは」
「やましいところしかないではないか」
 厳顔はもうわかっているという口調だった。
「まあしかしじゃ」
「そうね。お昼寝の時でもね」
 厳顔と黄忠の言葉の調子がここで変わった。
「護衛は必要じゃからな」
「それはいいことね」
「では。今は」
「うむ、よいぞ」
「是非共ね」
「それでは早速」
 何故かだ。ここで枕を出して来た魏延だった。
 しかも二つだ。そのうちの一つを出して劉備に言うのであった。
「では劉備様、今より」
「はい、少しだけですけれど」
「お休みしましょう」
「わかっておるとは思えんから言うぞ」
 また言う厳顔だった。
「そなた、間違ってもじゃ」
「間違っても?」
「桃香様と同じ褥には入るでないぞ」
 かなり直接的な言葉であった。
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