第六十九話 徐庶、徐州に来るのことその三
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
の本音だった。
「身辺警護は」
「そのまま怪しいことになるわね」
黄忠がそんな魏延を見ながら述べた。
「焔耶ちゃんのことを考えたら」
「わ、私は別に」
「焔耶、口を拭け」
今度は厳顔が言うのだった。
「御主の今の口はじゃ」
「口は?」
「涎が出ておるぞ」
こう彼女に告げる。
「だらだらと犬みたいに垂れ流しおって」
「な、何と」
言われてだ。咄嗟にだった。
彼女はだ。自分の口元を右手の甲でぬぐった。その甲を見ればだ。
そこには涎はない。それを見て話す彼女だった。
「あの、別に涎は」
「冗談じゃ」
こう素っ気無く返す厳顔だった。
「しかし。それでもじゃ」
「それでもとは」
「全く。桃香様がそこまで好きか」
「だから私は桃香様の」
あくまでだ、忠臣だと言うのである。
「それだけであって何もやましいところは」
「やましいところしかないではないか」
厳顔はもうわかっているという口調だった。
「まあしかしじゃ」
「そうね。お昼寝の時でもね」
厳顔と黄忠の言葉の調子がここで変わった。
「護衛は必要じゃからな」
「それはいいことね」
「では。今は」
「うむ、よいぞ」
「是非共ね」
「それでは早速」
何故かだ。ここで枕を出して来た魏延だった。
しかも二つだ。そのうちの一つを出して劉備に言うのであった。
「では劉備様、今より」
「はい、少しだけですけれど」
「お休みしましょう」
「わかっておるとは思えんから言うぞ」
また言う厳顔だった。
「そなた、間違ってもじゃ」
「間違っても?」
「桃香様と同じ褥には入るでないぞ」
かなり直接的な言葉であった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ