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ロボスの娘で行ってみよう!
第55話 ヴァンフリート星域会戦 前編
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自由惑星同盟軍宇宙艦隊総旗艦アイアース

アイアース艦橋では、宇宙艦隊司令長官ロボス元帥以下スタッフが、戦闘の推移を戦術コンピューターの図面を見ながら、指示を出していた。

今回のスタッフは宇宙艦隊司令長官ロボス元帥、宇宙艦隊総参謀長グリーンヒル大将、次席参謀コーネフ中将、後方参謀キャゼルヌ准将、情報参謀ビロライネン准将、艦隊運行参謀フィッシャー大佐、ドールトン少佐、参謀ワイドボーン大佐、ヤン大佐、アッテンボロー大佐、ラップ中佐などであった。

この動き難く交互通信のし辛いヴァンフリート星系に同盟軍は隕石に多数の通信中継器と航路灯台を配置する事で、嘗てダゴン星域会戦で同盟軍が行った自宅の庭先での戦闘を再現する事が出来るのである。

更に、各艦隊を原作のように繞回進撃をさせる事も出来るが、総司令部は悠然と長距離砲撃による戦闘のみを指令している。敵が押してくれば引き、引いていけば押すの、一進一退の戦闘に見えるが、同盟側は手を抜いた戦闘を行いローテーションで最前列部隊を交代させながら、戦っている。

超距離では命中してもシールドに攻撃が弾かれるが犠牲は少ないのである。更に同盟軍は後方に補給部隊を待機させ一会戦ごとに補給を素早く受けられるようにしたのに対し、帝国はイゼルローン要塞に帰還しないと大規模な補給を受けられないという弱点を突くため、エネルギーや弾薬の消費させるために無駄な長距離攻撃をダラダラと続けているのである。

5時30分になり動かなかったグリンメルスハウゼン艦隊がやっと動き出したが、同盟側は既にその事を予見していたために、戦闘に殆ど参加していないボロディンの第12艦隊分艦隊が軽く応対をする状態である。例えラインハルトが幾ら気張っても僅か200隻程度では戦局に全く影響を与えないのである。

又グリンメルスハウゼン艦隊は各戦隊がバラバラで移動するために完全な烏合の衆になっていた。
ラインハルトがタンホイザー艦橋でキルヒアイスと戦闘談義をしている最中に同盟側は戦線を後退させ始めた。それに勢いづく帝国軍混成艦隊であるが、突っ込んだところで追いつけ無い状態である。

フィッシャー大佐渾身の艦隊運用で同盟艦隊は一糸乱れぬ動きで整然と後退を始めている。
同盟艦隊は3月24日までひたすら帝国軍を引きずり回している。同盟側はいよいよ百隻ずつ7隊七百隻の艦艇によりダミーを使った繞回進撃を行い始めた。その時本隊は小惑星帯に順次後退しながら予め作っておいた補給ポイントで補給を行っている。

しかし、帝国軍は交互連絡が取れない状態で有るため、同盟軍の動きを捉えられずに同盟軍囮に惑わされながら、自らも繞回進撃を行い始めた。

3月25日同盟軍の囮総司令部隊は通信波を発した。
『第10艦隊旗艦盤古応答せよ!』
『第12艦隊旗艦ペルーン
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