1部分:第一話 最初の出会いその一
[1/2]
[1]次 最後 [2]次話
第一話 最初の出会いその一
空に星が輝く様に
第一話 最初の出会い
中学一年の時だった。一緒になったのが全てのはじまりだった。
桜が咲き誇る校庭を窓に見ながら。彼女はその彼を見たのだった。
少し癖の悪い黒髪に中性的な顔をしている。目は大きく黒目がちである。背は普通位で身体は均整が取れている。その彼が目に入ったのだ。
「ねえ、あいつって」
「あいつって?」
「誰のこと?」
「あの収まりの悪い髪の奴よ」
見ればその収まりの悪い髪の毛は量も多く太く硬い。かなり独特の髪を後ろは短くしていて前は伸ばしている。そうしたかなり独特な髪型である。
「あいつ誰かしら」
「ああ、あれ斉宮よ」
「斉宮?」
「そう、斉宮陽太郎」
彼女と同じ小学校の娘が説明した。
「あいつもこのクラスになったのね」
「知ってたの」
「塾同じだから」
それで知っているというのである。
「それでだけれど」
「ふうん、塾同じだったの」
「どうしたのよ星華」
その彼女が逆に彼女に問うてきた。
「それで」
「それでって?」
「何で斉宮のことを聞くのよ」
そのことを問うのであった。
「いきなり」
「あっ、何となくね」
その小学校から同じだった友人に対して答えた。
「目に入ったから。あいつと一年同じクラスなのね」
「そうなるわね」
丁度始業式前である。それで同じクラスにならないということはなかった。その陽太郎という男と一年同じクラスなのはもう決まっていた。
「それじゃあ」
「で、星華」
クラスメイトはまた彼女に問うてきたのだった。
「あんた中学校ではどうするの?」
「どうするって?」
「だから。部活どうするの?」
いきなり部活の話だった。
「それはどうするのよ」
「バスケかしらね」
首を傾げさせながらの言葉だった。茶色の長めの髪を後ろでポニーテールにしている。顔立ちははっきりとしたものでまだ幼さが残るが目の光もしっかりとしていて口元も確かである。背は女の子の中では高い方で身体つきも胸はないがしっかりとしている。そうした女の子だ。
「それしようかなって思ってるけれど」
「小学校の時から同じね」
「そうね。同じね」
星華は彼女の言葉に微笑んで答えた。
「それじゃあ」
「そうよね。同じね」
また微笑んでの言葉だった。
「それだと」
「今度もレギュラーだといいわね」
「それは絶対に手に入れるわよ」
入る前から既に息込んでいる。
「一年の時からね」
「相変わらず元気いいわね」
「女は度胸よ」
今度はにこりと笑っての言葉だった。
「それだからね」
「よし、それなら頑張りなさいよ」
[1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ