第53話 皇帝とグリンメルスハウゼン
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陛下と男の娘】
【好色一万人男】皇室の内情を知らねば書けない文章でございます。」
「地下迷宮の入り口が中庭の皇帝像の下に有るなど普通は判らん事じゃ」
「誠に、知っているのはごく少数のみ」
「ランズベルク伯爵も調べさせたが、誰にも漏らしては居ないと驚いておったわ」
「此ほどの極秘情報なれど、漏らした人物が特定出ぬとは」
「良い良い、ケスラー続きをせい」
「御意」
「この二つはごく普通に流布している情報が元になっては居ますが【地獄の使者がやってくる】【私利私欲の裁き】裏話等が良く書けているようでございます」
「これら2点【男爵夫人と7人の恋人】【B夫人とG夫人】は実在の人物を元に創作した物でありますが、人物の描写がその人物ズバリであり、男爵夫人はそのせいで社交界への参加を取りやめているほどです」
「BとGはシュザンナとアンネローゼであろう、シュザンナの葛藤は予も良く知っておるが、確かに思い当たる事がおおかったわい」
「この【やばい文書を受け取ろう】はまさにグリンメルスハウゼン子爵の書きためてある文章の一部と一致しておりました」
「此が表に出るとは思えませんが」
「そうじゃの、そちが漏らす訳がない、しかし他の貴族からは命を狙われるかも知れんから、身辺には気をつけるのじゃぞ」
「勿体ないお言葉にございます」
「続いて、余りに不敬でございますが、【皇子3人殺物語】【土下座皇帝】【ロリコン皇帝・少女を抱く】【戦死者は宮内省に獲る】恐れ多くも、陛下を比喩した物だと判りました」
こめつきバッタのように頭を下げまくるケスラーをフリードリヒ4世は手で制する。
「ケスラー良い、予の乱行はよう知られておる、そちが気に病む事はない」
「そうよ、ケスラー、陛下の仰る通りだ」
「御意」
「最後に【義眼の人】【スカートの中の大将閣下】【赤毛のデューク】【レオンハルト・フォン・ローゼンクランツ】シリーズは、帝国の社会を風刺した小説と思われます」
「うむ、ケスラーご苦労で有った、此からも調べるようにせよ」
「御意」
その言葉の後にケスラーは退室していった。
部屋に残ったフリードリヒ4世とグリンメルスハウゼンは二人で話し始める。
「グリンメルスハウゼンよ【スカートの中の大将閣下】【赤毛のデューク】【レオンハルト・フォン・ローゼンクランツ】は、間違えなく、ミューゼルの事であろう。しかし何故此処まで詳しく書けるのか、不思議じゃ、あの者が予を怨み帝国を奪い取るつもりなのは、目を見れば判るわ。ミューゼルは気がついてはおらんがな」
「真、ミューゼルは未だ未だ未熟でございますな」
「そうよ、この度の幼年学校の事で准将に昇進させたのでな、そちの艦隊に配属し次の出兵で資質を試すのじゃ、それにより、あの者に帝
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