第52話 ヤンの退院
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ン先輩を家に送り、うちら夫婦は初のお床入り。
前世と合わせて2度目の喪失でしたが、運動していたのでそれほど痛くなかったですね、血は出ましたが。此にて正式な夫婦になれました。けどねーダスティーは意外にへたれでした。
宇宙暦793年9月30日
■自由惑星同盟 首都星ハイネセン 統合作戦本部
指向性ゼッフル粒子発生装置の研究も進みつつある中、皇位継承者の遺伝子情報を持っているヘルクスハイマー伯爵は悠々自適な性活をしながら、既に愛人を囲っているそうです。その為にマルガレータ嬢はメイドに任せきりなのですが、スーンがいる事で益々懐いているそうです。こりゃ冗談じゃなく光源氏計画になりそうだ。
最近同盟で有名っている、E・W女史の著書を机の上に広げながら読んでいます。
「リーファ中佐、その本最近有名な本ですよね」
「イブリン、そうだよ。面白いし、良く書けていると思ってね。帝国に対する謀略に使えそうじゃん」
「そうですね、私は【レオンハルト・フォン・ローゼンクランツ】シリーズなんかが面白いですよね」
「まあ、帝国じゃ発禁文書だけどね」
そりゃリアリティーあるよ、ラインハルトそのものだし。
「【フォルゲン伯爵のマチアス君】【汚職の人】【カストロプ式汚職法】なんか、そのまんま、不正の発見に使われたらしいからね」
「そうですな、情報部でも驚いていますよ」
いきなりかよ、バクダッシュ。
「バクダッシュ少佐、女性の話に入る時は、断ってからの方が良いですよ」
「此は失礼、しかし中佐もこの本を読んでいるとは、意外でしたな」
「参考になりそうな物は、小説でも使いますからね」
「確かに、そうですね。情報部でもあれほど帝国の内情が描かれているのに驚いていますよ」
「それで、E・W女史の正体って判ったの?」
そう聞いたが、バクダッシュは肩を竦めて困った顔で答える。
「全くです、情報部が探していますが、全然判らないんですよ」
「編集者や出版社は?」
「それも無理でした、原稿はメールで送られて来るそうですし、打ち合わせも完全な秘匿回線。そのメールや回線も幾つものラインでジャマーがかかっているので追跡不能だそうです」
「なるほどね、あれだけ情報を出して、帝国に混乱を出せば、命が危ないからかな」
「恐らくそうでしょうな。同盟内部にも内通者が居る以上、自ら命を守っているのでしょうな」
「皇族って言うの本当なのかな」
「どうでしょうね」
「所で何の用?」
「ああ、中佐に頼まれていた、巡航艦の将兵の供述調書が完成したので持って来たんですよ」
「それは、御苦労様でした」
その後庁舎を読みつつ、本も読みながら、ヴァンフリートの事も考えていた。
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