暁 〜小説投稿サイト〜
とある3年4組の卑怯者
151 金賞者
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
が、少し間を置いて滑ってから跳んだ。そしてサーキュラーステップしてトリプルフリップを行った。そしてレイバックスピンで締めた。大串は悔しげな表情を見せた。
「悔しい顔しとるわな。何か失敗したんかな」
「うん、そうみたいだね」
「なら藤木君にちょっかい出した天罰やな」
 大串の得点が表示される。111.02。銀賞者である住吉や佐野の点数さえも下回った。大串は悔しさで泣いた。
(ふん、僕にちょっかい出さなきゃ失敗せず、もっと高い点数取れた筈だったろうに・・・)
 藤木は大串を軽蔑した。
 そして、九州大会、中国大会、関東大会、北海道大会の金賞者が現れた。しかし、それらの者の中に住吉の得点を超える者は現れなかった。そして瓜原の番が来た。
「瓜原かける君、リンクへお願いします」
「よし、わいの番やな」
 瓜原はリンクへ向かった。
『大阪府天王寺小学校・瓜原かける君・近畿大会金賞』
 瓜原の演技が始まった。いきなり見せたのはなんと四回転サルコウ。かなり高く跳んだ。そしてダブルサルコウにトリプルアクセル。どれもきれいに決まっている。
(瓜原君・・・。あのジャンプ、僕は流石に君にあっぱれだよ・・・)
 そして足換え?シットピンを見せた。これはレベル4確定だろう。そしてステップシークエンスをして、トリプルトウループを決めた。そして二回目のトリプルアクセルを決める。しかし、着地失敗してしまった。
(まさか・・・)
 藤木は瓜原の実際の演技を見るのは初めてだが彼がジャンプを失敗するなんて信じられなかった。瓜原はすぐに起き上がり、フライングキャメルスピンを披露。そしてトリプルルッツとトリプルフリップを綺麗に決めた。そして大会一誰よりも高く跳んだ。そして締めの足換えコンビネーションスピン。決まった。アクセルの失敗を差し引いても瓜原の評価は高いだろう。藤木も、観客席から見ている片山も、そう感じていた。
(ふむ、瓜原の演技は素晴らしい。これまでの誰よりも・・・)
 片山は絶対に瓜原の得点を更新するだろうと確信していた。瓜原が引き上げた後、得点が発表された。藤木も、他の出場者も、女子用の控室のモニターから見ていた美葡や黄花ら女子達も、片山も、観客たちも驚いた。151.54。瓜原の得点はこれまでの最高得点をも大幅に更新した。住吉は悔しがっていた。
「なんであいつのはこう評価されすぎるんや!!おかしいやろ!!」
(瓜原君・・・。凄いよ・・・。でも僕は君よりも超えてみせるよ!!)
 藤木は誘導係から名前を呼ばれると、リンクへと連れていかれるのだった。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ