四十四
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やどりせし
櫁ぞ高く
枯れなくに
戀しき人の
音は絶へなん
庭の樒は高く伸び一年中青々とし、枯れることはないと言うのに…もう恋しいあの人のことは噂にすら聞けない…。
この虚しさも…私の業なのかも知れないな…。
朝見ゆ
鳩のこゑきゝ
ねむりなば
昔の里の
夢ぞ見るなれ
朝を迎え、鳩が鳴いている声が聞こえてきた。
あぁ、眠らなくてはと床につき、鳩の声を聞きつつ眠ると…昔の懐かしい故郷の夢を見る…。
未だ幼き頃の里の風景…起きた時に懐かしさが込み上げるが、それと同時に、あの人の姿が無かったことにがっかりし、そんな自分に苦笑した…。
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