第16話 修羅場
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翌日の放課後。
いよいよ義経達の生誕祭が始まるので、残すところあと一時間と言った所だ。
裏では今日の昼休みで作り終えてアイスケーキの運び込んだ士郎がいた。
「ふう、これで完了と」
「うわぁ、中々大きいね。1人でこのサイズを幾つも作り終えた上に二日半で間に合わせられるなんて、士郎ってば、明らかに腕上げてるよね?」
聞き覚えのある声が聞こえたので振り返っエ見れば、そこは数年前に一週間くらい共に過ごしたことのある少女――――松永燕の成長した姿がそこにあった。
「何だ燕か」
「士郎ね、久しぶりに会えたのにその淡白な反応はいくらなんでもあんまりじゃないの?」
しかし士郎の素っ気ない態度には理由があった。
「驚く必要は無いだろう。当時から燕は既に可愛かったし将来美人になろ素材としては一級品だった」
「ふえ!?」
「その上で、燕は頑張り屋だったのは分かってたからな。だから今の燕の結果は必然だった」
「はうっ!?」
理解していた筈なのに、士郎のストレート過ぎる言葉に顔を見る見るうちに赤くさせて行き、言葉を失う燕。
さらにはいきなり抱きしめて、頭を優しく撫でて来た。
「分かってはいたがそれでも――――よく今日まで頑張ったな。偉いぞ燕」
「う、うん・・・うん」
泣く気なんて無かったのに士郎の優しい言葉と行動に、目頭が一瞬で熱くなって涙を零した。
シチュエーション的に、このままキスとかは無いだろうが、至福の時間過ぎて出来れば極力長く続いて欲しいと願った。
しかし現実は期待通りにはいかない空しいモノだった。
「士郎!ちょっとでいいから、どれか一つくらい味、見させ・・・て・・・」
唐突に扉が開き空気も読めずに入って来た百代だったが、2人の状態を見て一瞬で不機嫌になった。
「また瞬殺並みに誑したのか・・・!」
ゴミを見るような視線に心底冷え切った百代の声音に、士郎は思わずたじろぐ。ただし燕を抱きしめたまま。
「な、何だ百代?」
「何だ・・・だと?今のお前の状況こそ何なんだよ・・・!」
「ん?何かおかしいか?」
士郎にとってそれが誰であれ、説教的な事が無い限りは女性に優しくするのは当然であり、また頑張ってきた燕を励ますように頭を撫で続けるのも当然だった。
そして燕と言えば至福の時間を台無しにされてキレ気味だが、今の自分の状態と状況を鑑みて閃く。
「ゴメンね百代ちゃん!会うのは随分久しぶりなんだけど、私と士郎はもうずっと前から知り合いなの!ね、し・ろ・う・・・!」
燕は百代に見せつける様に、より密着する形になる様に士郎に抱き付き、顔を胸板に埋めて、片手を自分の頭に乗せている士郎の手を掴んでもっと撫でてと要求
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